駅で思わず目をひいたポスター|なんかすてきなデザイン
東北の宝ものプロジェクト「TOHOKU Relax」
パッと見の「なんかすてき」
・人も情報量も多い駅のエスカレーターで、パッと目にとまった。
・仕事のことでいっぱいの忙しない心が、一瞬「ほっ」とした
・瞬間的に「上品でかっこいい」と感じた
・シンプルな印象なのにありきたりでなく、「ありそうで無い感」を感じた
・写真がすてきすぎる
都内某所へ移動中、駅のエスカレーターで思わず「なんかすてき!」と見入ってしまったポスターです。
第一印象だけでも、とても好感が持てるデザインであることがわかります📝これらの「なんかすてき」がなぜそう見えるのか、理由を探っていきます。
「なんかすてき」の理由を考える
1.写真集のような心地よい余白
まずは特徴的な点として、まるで写真集のように大きく設けられた余白が挙げられます。(ざっくり計算で、紙面の約57%が余白で構成されているようでした。)
上記を踏まえて、このポスターにおける余白の効果を言語化すると…
・写真の周りにしっかりと余白が取られているため、主役となる東北地方の美しい景色の写真がパッと目に留まる。
・余白が画面にゆとりある空気感を生んでおり、駅を歩く人々の心を落ち着かせてくれる。
・紙面全体の余白が多いため、情報量の多い他の掲示物と差別化できており、目にとまる。
といったことが挙げられます。
「なんかすてき」の理由が少しわかった気がします…!
2.力強く独自性のあるロゴデザイン
「パッと目に留まる感じ」「ありそうでない感」に関しては、ロゴデザインが大きな効果をもたらしているように感じました。
具体的に言語化すると…
・ウェイトの太いサンセリフ体をもとにしたロゴタイプが、紙面の余白も相まって高い視認性を持ち、写真の次に目に飛び込んでくる(おそらくAdobe FontsのRig Shaded…?)。
・クセのない幾何学的なフォントで構成された“TOHOKU”から、「普遍性」「堂々とした佇まい」「廃れない美しさ」を感じる。
・力強い“TOHOKU”と、手書き感のある“Relax”のギャップが効いており、足腰の強さと、「訪れてみたい」と思える親しみやすさの両方が表現されている。いい意味で小さな違和感を感じ、印象に残る。
・少し平体がかかったような“O”がどっしり感を産んでいる?縦長気味の“O”ではこの安定感はでなさそう…。
といった点が挙げられそうです。
シンプルなロゴタイプだからこそ、もととなるフォント選びの精度の高さや、文字間、ウェイトの調整に職人技を感じます。
3.上品かつフックのある色使い
「上品でかっこいい」「ほっとする」に関しては、色使いが大きな効果をもたらしているように感じました。
具体的に言語化すると…
・Main color:グレイッシュベージュ
ポスター全体のトンマナを上品かつ洗練された印象にまとめている。色味の主張が少ないため写真やロゴが映える。また、ホワイトよりもあたたかみがあり、ブランド全体のリラックス感にマッチしている。
・Sub color:ブラック/オレンジ
コピーやロゴで少しだけ使用することで、紙面に少しの緊張感を与えている。特にオレンジに関しては、ポスターの印象を「優しい」「ナチュラル」で終わらせないアクセントの役割を担っている。
といった点が挙げられそうです。
美しい写真を引き立てつつブランドのらしさも表現する、選び抜かれた配色であることがわかりました。
+α もっと見たくなるシリーズ展開
「TOHOKU Relax」では、他にもたくさんのポスターが展開されていました!どのデザインも統一感あるフォーマット、美しい景色の写真、あたたかいトーンのコピーで構成されており、思わずコンプリートしたくなります。
以上、私なりに「TOHOKU Relax」のすてきな点をまとめてみました🙏
シンプルなデザインだからこそ、余白の取り方や配色ひとつ一つにこだわりの詰まった、すてきなデザインだと感じました!