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大槌とデザイン_Hiroto Kishima_2024.07

一章 白がある生活

私は同じものを毎日三食食べても苦痛ではないという性質があり、また、一つの食べ物にハマるとしばらくそればかり食べているという生活を送っている。6月下旬からヨーグルトにハマってブルガリアヨーグルトの400gにスプーンを突っ込んでもぐもぐと食べる。素材の味。美味ーい。

吉里吉里学園中学部の男の子が観光協会へ職業体験にやってきた。
観光協会の仕事は非常に幅広く、またそれぞれのメンバーがどのような観点から観光に携わっているのか、必死に吸収してくれたようです。
私は観光協会のデザイン担当ということで、お祭りのポスターをはじめとする広告物について少しだけお話しさせていただいた。
そしてデザインに触れてもらうため、自分の名刺を制作してもらった。
名刺は小さな面積の中に重要な情報をわかりやすく、きちんと整理して入れなければならない大変難しいものである。彼は美術が好きだそうで、可愛らしいイラストの名刺を制作してくれました。使用するフォントも選んでもらい、フォントの種類や効果なども伝える。「へ〜、面白い」くらいに捉えてくれていたら嬉しいです。

制作した名刺。左上の白い蟻かしら?が妙に惹きつけられる。

7月もかがり火の舞は続く。そろそろ折り返し地点だ。
「城内大神楽」「吉里吉里虎舞講中」「安渡大神楽」「陸中弁天虎舞」の四団体のポストカードを制作した。7月27日のかがり火の舞は、雨天のため小鎚神社ではなく、役場の体育館で行われた。かがり火を灯すことはできないけれど、体育館に太鼓の音が響き渡り、なかなかの迫力がある。残すところ8月が二回、9月が一回の合計三回である。かがり火が終わると、いよいよ大槌まつりがやってくる。

四種類。

二章 赤い文字に触れた

今年も大槌まつりの時期がやってきた。
二ヶ月後の本番に向けて、ポスター製作に取り掛かる。本当は二ヶ月前でも遅いと思うのだけれど、観光協会は多忙ゆえ、仕方がないところもある。海開きもありますし。
大槌に来て三回目の大槌まつりのポスター。二回、お神輿と一緒に歩いて、たいへん大槌まつりについて知見が深まったように感じる。さて三年目はどうしましょうか、一年目、二年目の反省点も含め、まだ挑戦していないテイストをやってみましょうか、などと、サーモンまつりが終わってから頭の中でずっとぐるぐる考えるのだけれど、やはりお祭りのポスターは難しいという結論に至る。これは常々感じていることで、お祭りは「こんな感じ!」といった強い印象がある。奇を衒ったことをする必要はない、しかしよく見るお祭りポスターで良いのか…。三年では答えが出ないらしい、難しい、本当に難しい。
今回はお神輿の写真をメインに、背景に郷土芸能の写真を配置し、全体的に暖色でまとめて、秋祭りであることをイメージして制作した。写真のお神輿は大槌稲荷神社のもの。神輿の写真の切り抜きがたいへんだった。両脇の金色の飾りがもう細かくて目を細めながら必死に作業をする。大槌まつりの力強さ、神輿の迫り来る様子、郷土芸能の多様さを伝え、町内だけでなく、町外の方もこのお祭りに興味を持っていただけたら嬉しい。

今年のポスターです。

さて、八月はお祭りのチラシを制作する期間になる。今年度はA4のチラシではなく、見開きA3の二つ折りにする予定だ。町外から大槌まつりを見にきてくださった方々向けに、どこでどのような郷土芸能が奉納されるのか、お神輿のルートやみどころなど、一目でわかるようにするつもりである。
この時期はてんやわんやしているけれど、なんとか乗り越えていこう。

今年も大槌町の海開きが始まった。
浪板海岸海水浴場、吉里吉里海岸海水浴場、両海岸の海開きチラシを制作した。今年の海開き期間は2024年7月25日(木)から8月18日(日)まで。私が大槌に来てから三回目の海開きではあるが、未だ泳いだことはない。泳ぐのが苦手なもので、眺めるだけで大満足。
両海岸、無料駐車場を用意、さらに更衣室、シャワーを無料で使用できる。今年の夏も大槌町で目一杯海を楽しんでいただきたい!
また8月11日(日)に浪板海岸ヴィレッジ特設ステージにて「海音フェスタ2024」が開催される。時刻は夕方15時から20時、涼しくなり始めた浪板海岸で波の音を聴きながら、出演されるアーティストの皆さんの音楽を楽しむことができる。同日はチャリカフェさんによる出店、テントサウナの展示イベント、また浪板海岸ヴィレッジの出店、ワークショップもある。
贅沢なひと時を楽しもう。

今年も海が始まる!
海音フェスタ楽しみだな〜。

と、チラシが終わった〜と気が緩んでいたところ、予想だにしない事態に直面してしまう。
浪板海岸の砂浜に近い海中に、大きな落差が認められたのである。これにより海水浴は危険と判断され、急遽、浪板海岸海水浴場の開設を禁止することになったのだ。チラシは納品され、すでに大槌町内に配布してしまっていることから、情報の混乱を避けるため、浪板海岸海水浴場の開設禁止についてお知らせを追記したチラシを作り直した。また広告を出す予定の新聞社さんや特設サイトを制作していただいているデザイン会社さんにも調整をしていただき、修正を行う作業に追われた。
ということで、今年は吉里吉里海岸海水浴場のみの開設になる。また、裏面に記載されている「海音フェスタ2024」については変更なく浪板海岸ヴィレッジにて開催予定である。

浪板が開設されないのは残念だがこればかりは仕方がない。

観光協会海開き特設サイトを今年バージョンに変更、また、今年から遊泳情報を特設ページ内で確認できるよう提案し、サイトを制作していただいているデザイン会社さんと調整を進め、公開した。
昨年まではXにて毎日の遊泳情報を発信していたのだが、今年の6月よりXはアカウントを取得していない人が閲覧できないようにシステムが変更されてしまった。
そこで、海開き特設ページに遊泳情報を掲載できないか、と相談したところ、実現したのである。一つのページで海開きに関する情報をまとめて閲覧できるようにし、利用者の方々にもわかりやすく、見やすくなったと思う。

イメージをお伝えして、イメージ通りに制作していただいた。

海開き特設サイトはこちらのURLから。
https://otsuchi-ta.com/umibiraki/

大槌町観光交流協会のXはこちらから。
https://x.com/otsuchita

早朝から炎陽が輝く7月22日月曜日、海開きに先駆け、吉里吉里海岸海水浴場の安全祈願祭が執り行われた。先述の通り、今年は吉里吉里海岸のみの開設となる。遊泳を楽しむ皆さんの安全を願い、粛々と執り行われる。
一つ、神秘的だと感じたことがあった。
宮司が祝詞をあげた瞬間、参列席から海に向けて突風が通り過ぎた。日差しよけのテントが煽られそうになるほど、強い風。ピンポイントで、このタイミングで風が吹き、なんとも目に見えない力を感じてしまった。こんなことってあるんですね。

暑い早朝でした。

三章 紫色が見えた

大槌稲荷神社の夏越祭のお手伝いを行った。
協会の古屋さんお手製「ふるやきそば」を出店するので、その仕込み作業、当日のお手伝いを。普段台所に立たない私は、大槌稲荷神社のキッチンでウロウロそわそわと落ち着かない。それを古屋さんに指摘されて初めて、私にとってキッチンとは、アウェイである場所だと認識する。吉本ばななの『キッチン』で描かれる主人公とは真逆だ。
まあ、お手伝いといっても、やきそばをパックに取り分けて紅生姜を乗せ、美味しい粉を振るだけの作業である。ハッピーターンの粉以外にも美味しい粉があるなんて…。
夏越祭は初めて訪れて、熱々の熱湯を振りかけると話を聞いた時は身構えた。どうせ振りかけられるなら、ふるやきそばの美味しい粉がいい…。
その後、お疲れ様会にもお招きいただき、美味しい日本酒を飲みました。
大変美味しゅうございました。上機嫌〜。
お誘いありがとうございました。

美味しそうだ、いや、美味しいのだ。
大槌稲荷神社の綺麗な紫陽花。七月に紫陽花が見れるなんて!

あとがき

学びばかりの毎日で、今月の学びは「夏に黒の長袖パーカーを着ると暑いですよ」ってこと。盲点でした、指摘されるまで気が付きませんでしたよ、また一つ賢くなってしまった、ってね。夏の陽光を黒のパーカーが集めるのなんのって…。
夏は長袖長ズボンで暑いって文句をいい、冬も同じ服装で寒いって文句を言う。工夫も何もみられない人生だ!
半袖を着ない理由を度々聞かれますが、何かしらのポリシーでもあるし、防御力が下がるからでもあるし、見せられないものが云々なんて噂もあって、まあなんでもいいですよ〜。
つまるところ、理由などないのです。
あっ、何もない人生だ!

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