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子ねこがわが家にやって来た!


小さな猫を拾ったんだが、私は10日前にその前兆となる夢を見ていた。

灰色シマシマの猫が、大きな箱から飛び出てくる夢。サーカスを連想するようなカラフルでかわいい装丁の箱が印象的だった。

まずは長女9歳が箱のなかに尻もちをついたような体勢で入っており、手足は箱の外に出ていた。

と、その状態から
きらきらの紙ふぶきや赤いりぼんと一緒に、隠れていた猫が箱の外に飛び出した。しなやかに飛び出してなめらかに着地した。

わーっ。びっくり箱みたい!
1人と1匹はとても楽しそうだなーと思って見ていたら目が覚めた。
朝いちばん、長女にこの話をしてみた。ぼーっとしていて反応は鈍かったが、このことが猫を飼う決定打となったことは間違いない。ナイス マイドリーム!

10日後。日曜日。
その週に南海トラフが予想される地域で地震が発生。
私が住んでいる場所は該当していないが、なんだかとても不安になった。


私は避難場所の確認や、海抜が高いところに避難リュックを背負って歩いたらどのくらいの時間がかかるのか確かめてみたくなった。長女を誘ったら「行く!!」と言ってくれたので一緒に行くことに。


車で10分のところにある観測所。白くて、高くてまるで灯台のよう。ここが私の住む地域では一番高い場所だ。近くに家もなく、広大な畑しかない。

炎天下25分で歩き切った。40分くらいかかると思っていたが・・・しかし、もし歩くとなると25分は津波が来るまでギリギリなのだろうか・・・

「思った以上に早く着いたよね」「ここにたどりつくまでに飲み物1本は必要だ・・・」「いや、私は大丈夫」などと話していると、絶妙なタイミングであいづちを打ってくるヤツがいる。姿は見えず、声だけ参加。

「それにしても暑い」
「にゃ」

「あっちまで行ってみよっか」
「にゃ」

???

「ちょっと話すのやめてみる」
「にゃ」

なになにー???
「にゃっ」って言ってる。

思わず
「この声、 猫じゃないか にゃ?」と言ってしまったではないか。

ああ、柿沼さんを思い出した。
(アウト×デラックスの、あの柿沼しのぶさんだー)

それと同時になぜかジョジョのブチャラティまで思い出す。
(私はブチャラティのファンです。)


もういい、ここは誰もいない。暑さで朦朧とするなか私は真剣に「なーごーなーごー」と鳴きまねをしてみた。
これ通常モードでは若干痛々しいこと否めないが、今は避難訓練エマージェンシーモード全開中なのだ。

オーレ~ オーレ~マツケンサンバー ♪
なーご~なーご~Bakenekoサンバ~ ♪

ビンゴ!
荒地から小さな猫が飛び出してきた!
「にゃっ」

かなりちいさい猫だった。とはいっても、よちよち 歩きとかではなくて、
でも十分小さい猫だった。

驚いたのは、夢で見た猫と同じ灰色シマシマ模様だったこと。

こんな荒れた畑の中から出てくるなんて、、、

お母さん猫とかここいるー?
お腹すいてるんじゃなかろーか?
とか言って、避難用のリュックサックからシーチキンを取り出した。

避難用のリュックでよかった、普段からシーチキンなんて持ち歩かないからね。って開けてみたけど、全然食べない。。。くっ。しまった。非常食が。。。

この炎天下、開けてしまったシーチキンどうするべき問題発生・・・
とりあえずビニール袋に入れて、なかったことにした。

長女と二人で、お母さん猫が来るのを待った。日陰に入って待った。
あんまり触るとお母さん猫が警戒して子猫を見捨てるという話を聞いたことがあったので、なるべく触るのを我慢した。しかし、当の猫は、私のリュックサックに登ったり、肩に乗って景色を楽しんだりなんかしてフリーダムだった。

1時間。
お父さんに事情を話して車で迎えにきてもらう。
お父さんが持ってきてくれた段ボール箱「とんがりコーン カレーマルシェ味」に入って、子猫はわが家にやってきた。

とにかく外が暑すぎて、
「カレーマルシェ味って、なんなんだよ。マルシェっていったいなんなんだよ・・・」とつぶやいたのを覚えている。そしてこれを書いている今、私の両手に囲まれるようにして猫が寝ている。名前は、まだにゃい・・・





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