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子ねこがわが家にやってきたその9

動物病院に連れて行ったはなし


子ねこを拾って3日後に動物病院の予約がとれた私たち

初めて動物病院に連れて行った話し。
ネットで調べた評判の良さそうな動物病院に電話をすると、
予約制のようで、奇跡的に「キャンセル出たので3日後空いています」、
とのこと!

ラッキー!
早く連れて行ってあげなくちゃと思っていたわたしは安心した。

とんがりコーンカレーマルシェ味号といっしょにいざ行かん!

3日後、夏休みで家にいたたみちゃんと一緒にねこをマルシェ号に入れて
車で移動。ねこは暴れたりせず、おりこうさんでドライブだ。

病院に到着し、受付けをして待合室で待っていると、ねこが段ボール箱の外に出たがるようになる。
そうだよね、出たいよね。でもお願いだからマルシェ号に入っていてほしい、そう思いながらたみちゃんと一緒に箱の外へ飛び出しそうなねこをどうにかしていた。

両手両足広げて ネコじゃーんぷっ!!!
どんどんフリーダムになるねこさん。
こんなスパイダーマンみたいなこと、できるんかい・・・

飛んだ・・・

洗濯ネットを渡され、猫を入れるようにと言われ、ねこに入ってもらう。すると、魔法のようにおとなしくなった。

「キレてる?」「キレてなーい」

早く呼ばれないかなーと思っていると、
スタッフと思われる若い男性がこちらにやってきて
何かをしゃべった。

「お家にセンジュウのわんちゃんやねこちゃんはいますか?」
ハスキー気味の声が聞き取れなかったのと、「センジュウ」という言葉の
理解が及ばず、「はい?」と言うと

とつぜん突き刺すようなヒステリックな大声でこう言った。

「お家で先に飼われているわんちゃんやねこちゃんはイマスカッ?」


き、キレてる!? なんだこの余裕ないかんじは・・・

HEY YO おにいさん、
あなた苛立ち、不安の感情を言葉にのせて投げるの上手だね、
HEY HEY HO!!!


こっちも初めての病院で、拾ったばかりのねこを連れて
不安なのに、よけい不安になるではないか。

実習生なのかもしれない。
午後一の予約で先生がまだ昼休みから帰ってきてないのかもね。

「(先住動物)いません。」
と言ったらどこかへ消えました。

そこから30分は待ったかな、、、

なんか捨て猫に厳しいのかな?それともなんだ?お金を払わないとでも!?
そう考えながら過ごす30分は長かった。

たみちゃん普通の巻

明らかに不穏になった待合室でも、長女たみちゃん9歳はいたって普通だった。

「お母さん、これ(ねこ用栄養パウダー)無料でもらえるって書いてある!受付のお姉さんに聞いてみようっと♪
すみませーん。これはもらっても大丈夫ですか?」

たみちゃんもねこと一緒にフリーダムなのだった。
こういう時のKYなかんじは、時に必要だなとおもった。


ほっと一息。

待合室をぐるり見渡すと、キャットフードがずらりと並べてあり、
そこに防犯カメラが設置されてました。

そこで思ったよね、
「ほんならプロジェクターでエサをうつしゃあええ」

イリュージョン

もはや私も、彼の喧嘩口調に乗ってこんなことしか思い浮かばない。
いかんいかん・・・

バッターボックスに立つな、わたし。

たみちゃんは猫マンガを読み、
「こまちゃんて名前、いいねえ」とリラックスし満喫していた。

ねこのベテランのお客さん(患者さん)やってくる

と、そこへ薬だけもらいに女性の方が病院へやってきた。
今日、今ここで初めて会った者同士だが、我々ねこを愛する人間としての共通点は明らかであり、そこには境界線などなかった。

段ボールの中に入った洗濯ネット、いや、ねこを見たその人は、
「うちが最近拾ったのより小さいかな。」「まだちいさいね」と話しかけてきた。

「そうなんです。実は・・・」と今まであったことを、その方に話す。
本当はこれ、獣医さんに聞いてもらいたかったこと、聞きたかったことなんだけれども、話すと、いろいろ聞いてくれたり教えてくれたり、自分が飼っている猫話へと発展していったのだった。

それは双方やりとりできているコミュニケーションで、私は安心した。
その方は、たくさんねこを飼っているらしく、捨てられている猫も保護している方だった。

そういうねこに御縁がある人のところに、ねこが引き寄せられるのだろうか。ねこ引きする人というものが存在するのかもしれない。

「エサをどのくらいあげていいかわからなくて」
「小さい猫のうちは、欲しいと言ったらあげていいのよ」
(ほ、ほんと?そ、そうなんだ)
とか、いろいろ話せて、私はうれしかった。
ねこの人はその後、薬の袋を抱えて「がんばってね」と言い病院を出て行った。

ありがとう、ねこの人。

いざ、診察室へ

しばらくして、わたしたちは名前を呼ばれた。さっきの人だ。
「診察室へどうぞ・・・」と言って近くの部屋に入ってしまった。

えっと・・・
初めて来た私たちは、診察室がわからない。部屋はいくつかあり、「診察室」のプレートがなく判断が難しい。

とりあえずその人が入った部屋をのぞいてみた。

初めて見る光景。ここは診察室なの?か?
でもわからない。ここでいいのかな?と躊躇していると、

さっきの男の人が

「診察室へ入ってもらえマスカーッ?」


やっぱ、キレてるー!!!            (つづく)






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