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今のCVCに必要なことは?

「経営」というワードをオープンイノベーション観点で議論してみたらCVCとして必要なことが見えてきた。

「経営」とは??以下となるが

事業目的の達成に向けて、継続的・計画的に意思決定を行い、事業を管理・遂行すること

オープンイノベーション観点で考えると、大企業の経営の観点と、スタートアップの経営の観点は少し違った見方が必要だと思う。

大企業は既に出来上がった市場やニーズがはっきりとしているところでビジネスをしているため、バリューチェーンの見直しによるコスト削減で利益率改善できないかであったり、不採算事業のリソースやコストを下げて成長領域に投資をかけたり、M&Aをしかけたりと既存事業へのテコ入れやシナジーによる事業成長をベースとした経営判断ができる。

一方で、スタートアップは市場やニーズがあるか分からない不確実性がある中で経営判断していかないといけない。また、事業成長別にステージも存在し、資金のタイムリミットがある中でステージ別に適した組織も作っていかないといけない。

昨今、大企業によるスタートアップを対象としたM&Aを見据えたCVC活動が積極的に行われているが、有機的な事業支援や事業連携さえも苦戦しているCVCが多く存在しているのが現在地点だと思う。大企業、スタートアップそれぞれの意思決定=「経営」を深ぼることで有機的な事業支援、事業連携、そしてM&Aに繋げることは出来ないかを改めて考えてみた。

・大企業の強み:組織力とお金

・スタートアップの強み:アイデアや技術と実行力

■大企業観点のスタートアップ連携
オープンイノベーションの理想として、上記スタートアップの強みに大企業の強みが掛け算されることでスタートアップのスケール化につなげることが多くのCVCが望んでいることだが、スタートアップ連携が進む進まないは、大企業の事業部のコンディションに左右されていることが大きい。

大企業がスタートアップ連携で進めている範囲

しかし、事業部は足元の取組みにおける緊急性を重視しがちである一方、経営陣は中計を見据えた取組みを緊急性高く認識しているケースもあるため、経営陣に対するアプローチでスタートアップとの連携可否を議論することが出来れば有機的な事業支援、事業連携がより進むのでは無いかと思う。
(そもそもスタートアップ連携を経営観点でやるやらないの議論になる前に止まっていることがほとんど。)
実際に両利きの経営の理解も進んでいることから、オープンイノベーションの必要性は事業部よりも経営層の方が前向き捉えることが多く、経営層とスタートアップ経営層が対話する機会が増えることが今後重要になってくると個人的には思う。

大企業の経営陣にとっての優先度

■スタートアップ観点の大企業連携
大企業の経営陣へアプローチし、判断を仰ぐには様々な整理が必要だが
重要なのはビジョン止まりでは無く、未来3~5年で何が出来るか、どんな事業機会があるかをクリアにし、経営(大企業)対 経営(スタートアップ)の対話が必要である。

スタートアップが大企業経営と会話する際に必要な落しこみ

しかし、スタートアップ側も大企業からの事業支援、連携よりも足元の緊急性の観点で優先度は落しがち。特にアーリー期は組織構築中なことも多く、コミュニケーションコストがかかる大企業との対話は避けたい(今じゃない)と思う経営者がほとんどだと思う。

スタートアップ企業の優先度

よって、大企業経営者、スタートアップ経営者、それぞれに影響を与える構造が必要で、大企業の経営とスタートアップの経営、それぞれのシナジーを創り、アクセラレートできる役割と責任を持ったヒトや構造がCVCとして必要なことでは無いだろうか。

CVCに必要だと思う構造

次は今回の経営の深堀によって必要と感じた、経営と経営の対話をどのように作ることが出来るか、MIRARGOのチャレンジと合わせて書いていこうと思います。


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