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過去を旅する時間
この部屋のこの日差しに出会うといつも動きが止まってしまう。
そして過去を旅する時間が始まる。
この日差しを後ろから感じながら編み物をした。
この日差しと影とで子供たちと遊んだ。
この日差しの中、みんなでJ POPのカウントダウンラジオを聞いた。
この日差しの中、みんなが帰ってくるのを待った。
しばらくはこの日差しの思い出が出てくる。
そして次にこの日差しとは関係ない過去の思い出が浮かんでくる。
父のこと、母のこと、祖父母のこと、友達のこと…。
こうすればよかった、悪かったなあといった後悔や反省ではなく、ただ思い出すだけ。復習してるみたいになぞるだけ。しかも新たに思い出すことなどはほとんどない。
1時間くらい座ってただただ思い出に取り囲まれている。
気づけば部屋が暗くなっていて、あれまあ、こんな時間って思う。
そうだ、向こうの部屋のクーラーつけてたんだ。
テレビをつけるとニュースでは猛暑の話。
ちゃんと現実に帰ってきた。
週末の夕暮れはよくこんな状態になります。うまく説明できないのですが、瞑想にも似た何だか不思議な感じです。