小学校の思い出 10 黒板のスコアボードが更新されていく
小学校の頃、クラスの男子の野球熱がすごかった。
当時はスポーツといえば野球で、男子はほとんどがどこかのチームのファンだった。
そういうわけで、日本シリーズの時期になると男子は朝からソワソワしていた。
学校なので日中はテレビを見ることはもちろんできない。
しかし後ろの黒板の下の方になぜかチョークで書かれたスコアボードが朝から準備されていた。
授業が始まってからは、後ろの黒板を見るたびにスコアが増えていた。
一番後ろの男子がイヤホンを時々つけては状況を書いていたのだ。
イヤホンをしている耳が後ろになるように不自然に横を向いていたから笑ってしまう。
どんどん更新されるボードを見ては他の男子が一喜一憂していた。
よっしゃーというようなポーズをしたり、先生が板書をして背中を向けている間に、両手を上げて喜んでいたり。
そんな男子たちを見るのが楽しくて私も授業どころではなかった。
他の子もクスクス笑っていた。
不思議と先生に叱られることは一度もなかった。
きっと気づいていながら許してもらえていたのだろう。
そんなゆるい時代だった。
みんな夢中になって楽しそうだった。
明日は高校野球の決勝戦。
どちらが勝っても初優勝。
朝10時からだ。
私も会社でスコアを表示させようかな。
どちらかを応援して盛り上がろうっと。