中小企業向けバックアップメディアのおすすめをご紹介
みなさまこんにちは。今日のこのnoteをご覧いただき誠にありがとうございます。
このところ小難しい話が続いてしまいましたので、今日は比較的肩の力を抜いてご覧いただける話をしようと思います。
中小企業様向け、コールドバックアップに相応しい、つまりクラウドは除外した「バックアップに向いたメディアの比較」です。
独断と偏見で「可用性」「データの信頼性」「容量」「値段」「アクセス速度」「耐久性」を☆1~5で評価し、最終評価・おすすめ度も☆1~5でつけてみたいと思います。
「可用性」は「便利かどうか」
「データの信頼性」は「データが消えたり変わってしまったりする可能性はないか」
「容量」は「記録できる容量は十分かどうか」
「値段」は「その媒体を使うのに必要な値段」
「アクセス速度」は「その媒体への読み書きがいかに速いか」
「耐久性」は「どれぐらい使い続けることができるメディアか」
ということで行きます。
では行ってみましょう。
テープ
昔から、バックアップと言えばのレベルで使い続けられていて、もういい加減時代遅れだろうと言われつつもしぶとく生き残っているのがこのテープです。
特徴は何と言っても容量が大きいこと。現在主流の第9世代で1本あたり最大45テラバイト、現在ロードマップが公表されているのは14世代までなのですが、それですとテラバイトの上、ペタバイトまで見えてくるという時代になっています。
ディスク系やフラッシュメモリ系とは違いランダムアクセスはできず、頭から順次読み出していくシーケンシャルアクセスしかできませんが、くどいぐらい申し上げているバックアップの3-2-1ルールに則った「違う媒体」で「遠隔地に置いておく」を担当するメディアとしては非常に適していると思われます。
というわけで点数をつけてみましょう。
「可用性」☆★★★★
「データの信頼性」☆☆☆☆★
「容量」☆☆☆☆☆
「値段」☆★★★★
「アクセス速度」☆★★★★
「耐久性」☆☆☆☆★
「総合おすすめ度」☆★★★★
評価の理由:これはあくまでも巨大組織向けのメディアという気がいたします。ドライブは1台あたり「もう少しで100万円に届く」という金額になってしまいますし、メディアも1本あたり数万円というのが相場です。
性能的にはバックアップメディアに相応しいと思うのですが、中小企業の方が用いるには少しオーバースペックのような気がいたします。
光ディスク
みなさまよくご存じのCD-R、DVD-R、BD-Rなどです。
バックアップメディアとして使える容量があるのはBD-Rだと思いますので、以降それを前提にお話ししたいと思います。
薄い金属膜に特殊な塗料を塗布し、それをプラスチックの板に挟んで作られています。
1枚のディスクの中にこの金属膜を複数入れて容量を大きくすることができます。BDの企画書の中には、最大で5枚まで金属膜を入れることが可能であると書かれています。一般的に販売されているのは2枚まで、実際に製造されたのは4枚までだそうです。
CD-ROM時代から脈々と続いてきた光ディスクの流れを汲むものですので、扱い方が簡単というのが長所かなと思います。
最大の短所は1枚あたりの容量が少なすぎることでしょう。
「可用性」☆☆☆☆★
「データの信頼性」☆☆★★★
「容量」☆★★★★
「値段」☆☆☆☆☆
「アクセス速度」☆☆☆★★
「耐久性」☆★★★★
「総合おすすめ度」☆☆★★★
光ディスクは、特殊な塗料に対してレーザー光線を当てて塗料を変質させることにより記録を行っています。
ということは、この塗料は変質するものというのが前提であり、レーザーで記録するときほど急ではありませんが時間の経過に伴ってゆっくりと変質してしまい、記録が飛んでしまいます。
比較的小容量、短期間のバックアップに向いたメディアであるといえるかと思います。
長期保存用光ディスク
通称M-DISCと呼ばれていまして、前項の光ディスクの一種です。
ただ違うのは記録方式であり、プラスチックの板の間に閉じ込められている金属膜を、直接変形させることによって記録します。
これによってデータを1000年維持することも可能、とメーカーは言っています。
では、評価に入ります。
「可用性」☆☆★★★
「データの信頼性」☆☆☆☆★
「容量」☆★★★★
「値段」☆★★★★
「アクセス速度」☆☆☆★★
「耐久性」☆☆☆☆☆
「総合おすすめ度」☆★★★★
M-DISCが旧来の光ディスクの延長線上にあるとはいえ、実は書き込みには対応しているドライブが必要で、書き込みに対応していると謳っているドライブでもなかなか上手くは書き込みできなかったりします。
そしてBD系統の光ディスクは密度の高さゆえに盤面に傷がつくと人間の目では見つけられないようなごく些細な傷でも読み取り不良になってしまいます。
そして何よりも、前項の塗料式光ディスクも含めて、生産されなくなっているのが現在の動きなんです。
DVDまでは順調にいっていた光ディスクがBDで失速したのには理由があります。上述の傷問題もそのひとつですが、何より痛かったのは規格制定者がその企画をオープンにしなかったことです。
DVDはオープンにしたことによってディスクもドライブも作れる人ならば誰でも作っていいということになって値段が下がり、一気に普及しました。
しかしBDはオープンにしなかったためディスクもドライブも値段が下がらず、一定期間ごとに更新が必要となりました。
そんなことをしている間に、民生用映像コンテンツの世界ではハイビジョン以上の画像がストリーミング配信によって利用するものになってしまい、BDの時代というのは完全にはじけきらずに終わってしまったのです。
正直に言って、わざわざ古い機材やメディアを中古市場から持って来て使うという必要性はないと思います。
USBメモリ
みなさまご存じUSBメモリです。みなさまご存じだと思いますのでサクッと行ってしまいましょう。
「可用性」☆☆☆☆☆
「データの信頼性」☆☆★★★
「容量」☆★★★★
「値段」☆☆☆☆☆
「アクセス速度」☆☆☆☆★
「耐久性」☆☆★★★
「総合おすすめ度」☆★★★★
何と言っても、容量が少なすぎます。いまAmazonを検索してみて16TBというものを発見したのですがこれがほぼ上限でしょう。
そしてUSBメモリというのは案外保存したデータが壊れやすいものでもあります。
比較的小容量のものを短期間バックアップためのメディアだと言っていいと思います。
外付けHDD
もう説明不要かと思いますが、外付けHDDは、元々はPC内蔵の記録装置として発展してきましたが、耐久性や省電力性が上がったおかげで外付けデバイスとしても使われるようになったものです。
「可用性」☆☆☆☆☆
「データの信頼性」☆☆☆★★
「容量」☆☆☆☆★
「値段」☆☆☆☆☆
「アクセス速度」☆☆★★★
「耐久性」☆★★★★
「総合おすすめ度」☆☆☆☆★
容量も使いやすさもそして値段もかなりハイレベルな、バックアップに使うにはトップ3には入るぐらいには候補に挙がるメディアでしょう。
なにせ本来PCの起動ドライブの技術からスタートしているのですから、起動ドライブをそのままバックアップしておいて、いざというときにバックアップから起動できるのも便利ポイントのひとつです。
外付けSSD
PC内蔵の、主に起動ドライブを兼ねてデータを保存していたのが元々HDDでした。しかしアクセスが遅いことを始めいろいろと欠点がありました。
そんな中「HDDもメモリになればPCも爆速になるんだろうねえ」みたいなことが言われていました。そしてそれを実現したのがSSDです。使い勝手としてはHDDと同じように使えますが、内蔵SSDも外付けSSDも物理的な大きさはHDDよりかなり小さく、その分使い勝手が良くなっています。
「可用性」☆☆☆☆☆
「データの信頼性」☆☆☆☆★
「容量」☆☆☆☆☆
「値段」☆☆☆☆★
「アクセス速度」☆☆☆☆☆
「耐久性」☆☆☆☆★
「総合おすすめ度」☆☆☆☆☆
弊社の標準バックアップメディアがこれです。容量あたりの値段がHDDより高いことは難点ですが、振動や衝撃にも少なくともHDDよりは強いですし、現在一番「熱い」メディアでもありますので、今後どんどん進化を続けていくことは間違いないと思います。
SDカード
これも説明不要かと思いますが、スマートフォンのメインストレージであるアレです。
皆さん誤解されていることが多いのですが、正確に言うとスマートフォンのメインストレージはマイクロSDカードです。実際にはこんなになってまして
本来は一番上のメモリーカードが「SDカード」なのですが、そろそろ廃れつつあるFAXのメモリぐらいにしか使われているのを見たことがありません。
二番目のミニSDカードに至っては私も現物を見たことがありません。デジカメとかに使われるのかなあ?という感じです。
スマートフォンの爆発的普及によって、一番下のマイクロSDカードが一般的に「SDカード」と呼ばれるようになったという経緯です。
「可用性」☆☆★★★
「データの信頼性」☆☆☆★★
「容量」☆☆★★★
「値段」☆☆★★★
「アクセス速度」☆☆☆★★
「耐久性」☆☆★★★
「総合おすすめ度」☆☆★★★
基本的には、SDカードのバックアップに使うのがいいでしょうね。PCで扱うには、USB接続のカードリーダーが必要となりますのでご注意下さい。
小括
やはり、クラウドを除けば、中小企業のみなさまには外付けSSDでバックアップを取っておき、それを遠隔地で保存しておくのがいいようです。何度も申し上げるようですがバックアップの3-2-1ルールに則って作成して弊社で保管しておくのに一番相応しいのは外付けSSDでしょう。
もうひとつバックアップを作成するのがバックアップの3-2-1ルールですが、それであればクラウドか、あるいは外付けHDDでバックアップを取ってお手元で保管されるのが良いのではないかと思います。
外付けとは言いますがこんなもの↓もありますので
内蔵用のHDDを外付けで使うことも可能です。比較的お安く済みます。
細かいことまでご相談いただければ、全力でお答えいたします。
よろしくお願いいたします。
目次
Windowsからの乗り換え先になるか? Linux MintとChrome OS Flex
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