バックアップの方法 オフライン・オンラインバックアップとは?
皆様こんにちは。今日のこのnoteを開いていただいてありがとうございます。
なんだかこのところずいぶん話が大きくなりがちだったので、今日は基本に立ち返り、オンラインバックアップとオフラインバックアップの違い、メリットとデメリット、そういったことをお話ししたいと思います。
オンラインバックアップとは?
特徴
インターネットに接続された状態で、クラウドサービスを利用してデータを保存します。
システムを稼働させたままバックアップできるため、業務に影響を与えにくいです。
複数のデバイスからアクセスでき、データの共有や復元が簡単です。
自動バックアップ機能がついているサービスが多く、手間がかかりません。
メリット
遠隔地へのバックアップなので、災害や火災など、物理的な損害からデータを守ることができます。
複数のデバイスからアクセスできるため、いつでもどこからでもデータにアクセスできます。
自動バックアップ機能で、常に最新のデータを保存でき、手動でのバックアップ作業が不要です。
トラブルが起きない限りシステムの停止時間がゼロなので、高い可用性が実現できます。
システムを停止することなくバックアップを取得できますので、バックアップの頻度を高めることができ、日次やや週次などの頻度で定期的にバックアップできます。
バックアップ処理をシステムの運用ジョブの中に組み込むことによって、決められたサイクルで自動的にバックアップすることができます。
災害時にもデータが安全に保管されます。
デメリット
インターネット環境が必要なので、通信状況によっては時間がかかる場合があります。
クラウドサービスの料金がかかります。
セキュリティ対策が不十分な場合、データ漏洩のリスクがあります。
システムの稼働中にバックアップ処理が働くため、システムに負荷がかかります。
業務処理のパフォーマンスに影響する可能性があり、バックアップを取得する時間帯や運用ジョブの中での前後関係などに気を配る必要があります。
バックアップ対象のデータが通常の処理にも使われている状態でバックアップを取得するため、データの不整合を起こさないようにデータがロックされる場合があり、通常処理に待ちが生じパフォーマンスに影響する可能性があります。
業務処理の稼働中にバックアップを取得するため、バックアップに時間がかかる可能性があります。
というような特徴があります。
オフラインバックアップとは?
特徴
バックアップ取得対象のシステムが停止しているため、バックアップ取得中に業務に影響を与えたり、データが更新されたりするリスクがありません。
外付けHDDやUSBメモリなど、物理的な媒体にデータをコピーして保存します。
そのため、インターネットに接続していなくてもバックアップできます。
データへのアクセス速度が速いです。
メリット
インターネット環境に依存しないため、安定したバックアップが可能です。
クラウドサービス使用料がかかりません。
データへのアクセス速度が速いため、復元時間が短縮できます。
バックアップ取得作業がシステム稼働に与える影響が低いです(このことを、一般的に「安全性が高い」と言います)。
バックアップ処理によるリソース消費によってパフォーマンスが低下して業務に影響を与えるリスクがありません。
バックアップの信頼性が高いです(ここで言う信頼性とはバックアップ中にデータが更新される可能性が低いことを指します)。
システムを停止したタイミングで整合性の取れたデータのバックアップを取得できるため、リストアが容易です。
災害時やシステム障害時には、データを戻すだけでバックアップ時の状態に戻すことができます。
過去のバージョンに戻したい場合なども、バックアップを世代管理していれば比較的容易です。
データが物理的に保管されるため、サイバー攻撃やネットワークの問題に対して安全です。
デメリット
バックアップ中にはシステム停止しなければいけないため、業務へ影響する可能性があります。
バックアップ媒体の容量が限られているため、定期的にデータを整理する必要があります。
バックアップ媒体を紛失したり、破損したりするリスクがあります。
データの取り出しや更新に時間がかかり、災害時には物理的なバックアップが破損するリスクがあります。また、コストが高くなることがあります。
データ容量が想定より多い、手順でミスをしたなどの場合、システム停止時間オーバーのリスクがあります。
頻繁なバックアップが困難で、そのためバックアップのタイミングによっては最近の更新データが失われる可能性があります。
バックアップの目的に応じたバックアップデータの保管場所についても検討する必要があります。例えば災害に備えて遠隔地に置いておくなどです。日常のシステム障害に対応するにはオンプレミスがおすすめです。
どちらを選ぶべきか?
これは目的によって使い分けるべきであると本当に力を込めてお話申し上げたいところではあるのですが、考慮すべき点について以下のとおり列挙することにいたします。
データの重要度
非常に重要なデータの場合は、両方の方法を組み合わせることにより双方の欠点を補い合ってかなり強固に安全を守ることができます。出費を伴いますが、ご一考いただくに値する選択肢かと思われます。
データの量
データ量が多い場合には、複数のクラウドサービス、複数のコールドバックアップサービス、その他あらゆる選択肢の容量や料金プランを比較検討する必要があります。自社でバックアップを取って保存するというような選択肢も、考慮から完全に外すべきものだとは思われません。
セキュリティ
セキュリティ対策は非常に大きな要素です。データ漏洩やランサムウェアなど、数々の脅威を想定した上で最も安全なものを選ぶことが重要です。
操作性と安全性
残念なことですが、操作性が高い(自動バックアップ機能が充実している、複数のデバイスからアクセスができるなど)と安全性(データの漏洩やランサムウェアなどのマルウェアに強いなど)とは、しばしば両立が難しくなります。自社環境にとってどちらが重要なのか、比較衡量して決定する必要があります。もちろん、同時に使うことによってより安全にするというのもとても魅力的な選択肢です。
インターネット環境
インターネット環境が安定しない場合には、オンラインバックアップの可用性が大きく損なわれます。特にモバイルの場合は注意が必要です。以前楽天のエリアマップはご覧いただきましたので、他3キャリアに今回はご登場願いましょうか。
まずDoCoMoさんです。
次にAUさんです。
最後にソフトバンクさんです。
いかがですか?人口カバー率を見ると高いですが、マップで見るとスッカスカ、これがモバイル通信の弱点です。拠点を構える場所によっては、オフラインバックアップしか選べないということは十分に考えられることだと思います。
なお、なぜ紀伊半島にこだわるのかという問題なんですが、日本列島を構成する主要4島というのがあるとすれば北海道・本州・四国・九州だと思うのですが、その中に位置する独立した地方自治体としては最小のものである野迫川村が紀伊半島のほぼ中央に位置するからです。人口カバー率99.9%の0.1%側がここにあります。確か直近の国勢調査で人口が335人です。行政法上、町村は議会に代えて町村総会というのを開くことも可能なんですが、現在議会の定員は6人とのことですから、町村総会もここだったらできそうですよね。少なくとも、近い将来には。
大都市大阪から距離的にはそんなに離れておらず、世界遺産である高野山もすぐ近くです。公共交通機関というものがないに等しく、到着してすぐに帰るということも難しいです。なぜなら、バスが平日2往復、休日1往復しかないからです。泊まるにしても宿がないという途轍もない場所なんですが、そこはやっぱり奈良県内、歴史的な謂われのあるスポットがたくさんあり、雄大な自然も広がっています。なにせこの村、人口が少ないことに加えて、可住地面積割合が数%です。運が良ければ眼下に広がる雲海を見ることもできます。都会の喧噪にうんざりしたときに行きたい人里離れた場所ランキングを作ったら市区町村単位にしても上位10位ぐらいには入りそうです。ぜひ行ってみて下さい。以上、勝手にやった野迫川村プロモーションを終わります。
中小企業様がどちらを選ぶか決定する際には
特に中小企業様にとって、バックアップをどうするかは頭の痛い問題だと思います。弊社に絶対的かつ普遍的な答えがあるわけではないのですが、この点を考慮されるべきではないかという論点はいくらかご提示が可能です。
1.データの重要度と機密性
機密性の高いデータ
金融情報・個人情報・技術情報など漏洩すると甚大なリスクとなるデータは、セキュリティ対策が万全なオフラインバックアップが適しています。
一般的なデータ
業務に必要なファイルや取引先名一覧表のような既にオープンになっているデータなど、ある程度の漏洩リスクは許容できる場合は、オンラインバックアップも選択肢に入ります。
2.データ量と更新頻度
大容量データ
大量のデータを頻繁に更新するという業務が回っている場合には、クラウドストレージの容量制限や料金が不利な方向に働く可能性があります。オフラインバックアップの費用も検討されることをお勧め致します。
小規模データ
小規模データであれば、オンラインバックアップの無料容量で対応できる可能性もあります。
3.予算
コスト
オフラインバックアップは初期費用はかかりますが、月額料金はかかりません。長期的には安全性が高いです。オンラインバックアップは初期費用は少額ですが、月額料金が発生します。また、手間が少ないです。
費用対効果
データの重要度や量、頻度を考慮して、費用対効果の高い方を選ぶことをお勧め致します。
4.復旧時間
迅速な復旧
業務に支障が出ないよう、迅速な復旧が求められる場合は、オンラインバックアップが有利です。
ある程度の復旧時間
緊急性があまり高くないデータであれば、オフラインバックアップでも対応が可能であると言えます。
5.セキュリティ
セキュリティ対策
オンラインバックアップは、クラウドサービスのセキュリティ対策に依存するため、万全な対策が施されているかは確認しておかなければいけません。
物理的なセキュリティ
オフラインバックアップは、物理的な媒体を紛失したり、破損したりするリスクがあります。保管場所のセキュリティ対策も重要です。
6.災害リスク
災害
火災や水害などの災害リスクが高い地域では、オフサイトバックアップ(異なる場所にバックアップを保管する)が考慮されるべきでしょう。オフラインバックアップを行った上で、災害リスクが低い土地を選び、保管しましょう。
遠隔地バックアップ
オンラインバックアップは、データセンターが遠隔地にあるため、災害リスクを分散できます。
7.運用管理
手間
オンラインバックアップには、自動バックアップ機能がある場合が多いため、運用管理が容易です。クラウドサービスを利用したい場合はオンラインバックアップが適しています。
管理
オフラインバックアップは、メディアの管理や交換など、手間がかかります。しかし、自社でデータを管理したい場合には適しています。
8.柔軟性
スケーラビリティ
データ量が変動する場合、オンラインバックアップは、プランを変更することで柔軟に対応できます。
固定性
オフラインバックアップは一度購入すると容量を変更するのが難しい場合があります。
中小企業様にお勧めの組み合わせ
ハイブリッド型
オンラインバックアップとオフラインバックアップを組み合わせることで、それぞれのメリットを活かし、リスクを分散できます。
重要なデータはオフライン、一般的なデータはオンライン
機密性の高いデータはオフライン、一般的なデータはオンラインでバックアップすることで、コストを抑えつつ、セキュリティも確保できます。
どちらの方法もそれぞれのメリット・デメリットがありますので、中小企業のニーズやリソースに応じて選択することが重要です。どちらが適しているかは、具体的な状況によって異なるため、詳細なニーズを考慮して選ぶことをお勧めします。
ぜひ、オンラインバックアップサービスに関してはいろいろな会社を比較し、それぞれの特徴をつかんで下さい。また、オフラインバックアップにもいろいろと異なる行い方がありますので、具体的にどのデータをどう扱うかをシミュレーションしていただきたいと思います。
バックアップの頻度、バックアップのスケジュールなどを加味して、ご自身の状況に合わせて、最適なバックアップ方法を見つけて、大切なデータをしっかりと守りましょう。
弊社では、基本的に「同じバックアッププランを使い回すことは不可能である」と考えています。会社様それぞれによって最適なプランが違うからです。弊社はいわば「オンラインバックアップとオフラインバックアップの中間」といった立ち位置だと自覚しているのですが、そこはご相談いただければと思います。下のフォームよりいつでもお待ち申し上げております。
ぜひよろしくお願いいたします。
では今日はこの辺で。
目次
クラウドストレージが持つ特有のリスク
クラウドストレージが持つ特有の脆弱性
クラウドストレージと遠隔地バックアップの相互補完性
クラウドストレージのデータ消失に関する責任の所在
ディザスタリカバリ手順をあらかじめ決めておくべき理由
弊社でお取り扱いしておりますデータ・OSにつきまして
クラウドストレージのメリット・デメリット
Windowsからの乗り換え先になるか? Linux MintとChrome OS Flex
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その1
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その2
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その3
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その4
IPAの言うセキュリティ対策の基本を見ていきましょう! その5