
食い尽くし現象を交流通貨論で説明してみる。
夫婦間で起きる「食い尽くし」問題を交流通貨論で考える
今回は「夫が食い尽くしてしまい、子どもの分まで無くなって困る」という話について、ちょっと考えてみましょう。よく聞くのは、「妻が困ってる」「夫がまったく配慮しない」ってパターンですよね。だけど、夫にも何かしら言い分があるかもしれません。で、この問題を6つの通貨の視点から整理すると、いろいろ見えてくるんですよ。
1. 現金通貨の視点
まず、お金の部分。
「夫が稼いでるんだから、好きなだけ食べてもいいだろう」っていう主張があるかもしれない。逆に妻側は「家族のために食事を用意してるんだから、子どものぶんはしっかり残して」って思う。要は、生活費の負担とか家計の管理をどうしてるかによって、夫の意識も変わりそうですよね。
ただ、たとえ夫が多く稼いでいても、「食卓に並んでいる料理は家族全員のもの」と考えるのが一般的。そこを「俺が出した金だから俺が好きなだけ食う」とやっちゃうと、妻は「協力する気ないんだな…」と感じる。現金通貨ばかりを盾にすると、他の通貨が崩れやすいわけです。
2. 恋愛通貨の視点
夫婦関係においては、やっぱりちょっとした気遣いが大事。
「子どもの好きなおかずを優先して取り分けてあげる」「妻と一緒に美味しく食べる」みたいな行為が、夫婦のロマンチックな雰囲気を育みますよね。ところが、夫が自分の分だけ先に全部平らげちゃうと、妻の恋愛感情はしぼむかもしれない。
妻にしてみれば、「この人、私や子どものことを一切考えてない」と思ってしまう。恋愛通貨は“思いやり”や“優先してくれる気持ち”がベースにあるんで、それを欠くとドキドキが一気に冷え込むってことですね。
3. 親愛通貨の視点
家族愛とか無条件の受容っていうところ。
親愛通貨のキモは、「一緒に生活している仲間を大事に思う」ってところにあるんですよ。夫が子どもの食べる分まで奪ってしまうと、「家族に対する愛情があるの?」と妻は不安になります。
一方で夫にも、「育ち盛りだから食欲が止まらない」「昔から競争してガツガツ食べる環境だった」みたいな背景があるかもしれない。でも、言葉に出して説明しないと周りはわからない。親愛通貨って、相手の存在を尊重する前提で成立するもので、そこに意思疎通の欠如があると破綻しやすいわけです。
4. 信頼通貨の視点
「ちゃんと残しておいてね」「後で子どもが食べる分あるから気をつけて」と妻が伝えているにもかかわらず、夫が知らん顔で全部食べちゃうと、信頼はガタ落ちです。
逆に夫が「この量で足りるの?」とか「もう少し作っても大丈夫?」と確認すれば、妻は「言ってくれれば用意するのに」って安心する。そこが意思疎通のポイントですね。
夫の言い分としては、「いや、言われなかったから」「腹が減って仕方ないから仕方ないじゃん」というケースもあるでしょう。でも、家族の食事ってある程度のルールを共有しておかないと、こういうトラブルは続くもの。信頼通貨は、普段のちょっとした約束や気遣いの積み重ねによって貯まっていきます。
5. 快楽通貨の視点
本来、家族で囲む食卓は楽しい時間なんですよ。
「一緒に食べてわいわいする」って、すごく幸せを感じやすい場面。ところが、夫がガツガツと全部平らげちゃうと、妻も子どもも「やめてよ…」って気持ちになる。で、イライラが募ると食事が楽しくなくなる。快楽が失われると、「もうこの人と一緒に食事したくない」という気持ちさえ生まれるかもしれない。
夫の立場からすれば、「たくさん食べる俺を見て、妻や子どもも嬉しいんじゃないか」と思い込んでる可能性もある。「食事を楽しく盛り上げてる」と錯覚してる場合は、妻が明確に「ダメ!」と言わない限り、気づけないまま突っ走るかもしれません。
6. 社会通貨の視点
もし妻がSNSや周囲に「ウチの夫、食い尽くし系で困る」と漏らせば、夫の評価がガクッと下がる可能性があります。
「自分勝手で配慮に欠ける人」というレッテルが貼られたら、将来的に夫も損するわけです。たとえば親戚の集まりや友人同士のホームパーティで、夫の“評判”が悪くなる。本人が「そんなの気にしない」と思っても、社会的には「マナーがなってない」と判断されるかもしれない。
一方、夫としては「大食漢キャラでウケるかも」と思い込んでいる場合もあって、そこが周囲とのズレにつながります。結果的に、家族から「うちのパパは困った人」扱いされてしまうと、社会通貨としては大きなダメージですよね。
妻の不理解と意思疎通の問題
ここまで挙げてきた通貨の視点で見ると、妻が「なんでこんなに食べるの?」「子どもの分だって考えてよ」と思う一方、夫は「腹が減ってるんだから仕方ない」「言ってくれなきゃわからない」と言うケースがある。つまり、お互い意見交換がうまくいってないということ。
妻の側
「作り手としての気遣いをわかってほしい」
「子どもの成長や栄養をしっかり考えている」
「遠慮や譲り合いが愛情の証だと思っている」
夫の側
「自分が食べても余るだろうと思っていた」
「育ちざかりの頃から競争してきた習慣が抜けない」
「別に言われてないし、不満があればその場で言ってほしい」
このすれ違いは、結局信頼や親愛、快楽といった通貨を補う会話とルール設定ができていないからなんですよ。「作る側はどんなふうに考えているのか」「食べる側はどのくらい食べたいのか」をすり合わせるだけで、だいぶ状況は変わるはずです。
まとめ
夫婦間の食い尽くし問題は、ただの食欲やマナーの話に見えて、その裏では6つの通貨(現金、恋愛、親愛、信頼、快楽、社会)をどう扱うかが問われているわけです。相手への思いやりが足りないなら恋愛通貨や親愛通貨が欠落し、きちんと話し合わないなら信頼通貨が崩れ、全員が楽しくないなら快楽通貨も失われていく。さらに周囲の目を気にせず突っ走れば、社会通貨に傷がつくかもしれない。
夫が「俺だって言い分がある」と思うなら、それをちゃんと説明して妻に理解を求める必要がありますし、妻が「何でわかってくれないの?」と感じるなら、具体的に困っているところを伝えなきゃいけない。要するに、まずはお互いの食に対する姿勢や期待値を言葉で確認するのがスタートですよね。
そうやって通貨をバランスよく回す配慮ができれば、家族全員が満足できる食事になるはず。結局、たくさん食べたって誰も怒ってない状況がいちばんハッピーだと思いますよ。