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noteの記事が100を超えてしまって吐くほど怖い。
怖い。noteの記事数が100を超えてしまった。今までとにかく読んでくれた人が「こいつまぁ悪くないね」と思ってもらえるよう、あわよくばちやほやされたい一心で定期的に更新してきた。
その、煩悩と自我しかない記事が100を超えた。怖い。
「それで、結局ちやほやされたの?」と、私のアカウントを知っている仲の良い女友達が聞いてきた。
「どうだろう。読んでくれる人のことを考えていないからね。ちやほやまでの道は遠いよ」と言うと、「そしたら手軽にchatGPTでちやほやしてもらえばいいじゃない」と返事があった。一理ある。
2人して今までアップしたふざけた内容のものを20ほど読み込ませ、「どう?」と聞いてみる。
AI「うん、いいと思うよ」
私「やった! ありがとう」
AI「あおさんの強みである、皮肉と自虐が全面に出てていいよ!」
えっ、皮肉と自虐? 僕の目指していたのは爽やかな文才発、感動経由ちやほや行きだったのに。おずおずと女友達に聞いてみる。「あのさ、僕の書いた文章ってそんなに皮肉と自虐が強いのかな?」。彼女が答える。「わたし、最初の数記事しか読んでないからわからない」。えっ、今まで読んでるふうに話してくれてたのに。
でもさ、と彼女が言う。「あおくんって、ちやほやされたい内容とは別にたまに真面目なやつも書いてるって言ってたでしょ。それも読み込ませてみたら何か変わるかもよ」
わっしょい。我が友達ながらいいことを言ってくれる。それで急いでちやほやが関係していない、生真面目な内容の記事を何個か読み込ませてみた。
私「どう?これは結構いいと思うんだけど。自虐でも皮肉でもないよ」
AI「うんいいね。自虐でも皮肉でもない」
私「やった。ありがとう」
AI「どういたしまして。それにしても、すごく真面目な内容なのに、あおさん特有の『モテたいけどモテない』人間の哀愁がとても良く出ているよ」
えっ・・・。chatGPTに詳しく聞いてみると、孤独や喪失、再生を描いた内容であっても、それを共有できる人間がいない/最後の最後には相手に届かないというモテない感(そしてその奥にあるモテたい感)が出ていてすごくいい、とのことだった。辛い。
女友達が哀れみの声でフォローしてくれる。「皮肉でも自虐でもモテなくても、それがあおくんの持ち味だったならいいんじゃない?」
私が答える。「でも君は僕が作り出した空想の存在でしょう?」
と言って、ぴんと指を鳴らすと、脳内で作り上げていたイマジナリー女友達が消えた。一人でchatGPTに記事を読み込ませただけなのに、架空の友達がさも実在するかのようなエッセイを書いてしまった。怖い。
本当は今日、好きな人とのデートが本当の本当にある。彼女の歯医者が終わったら近くで中華料理を食べることになっている。
ただ、こんなに「どこまでが本当なの?」みたいな話を書いたあとにそれを言っても、もう誰にも信じてもらえない気がする。怖い。それどころか、まともな人間としての信頼すら遠くなった気がする。いや、本当にデートなんだけどなぁ。
ーーモテる男への道はまだ遠い。