自然と生きること
夫氏は林業をしています。
先日、共通の知り合いのお家にある推定300年ほどの欅の枝打ちを頼まれて、とうとう夫氏の仕事をこの目で見られる日が来ました。
それはまあ立派な木が2本。大きい方は周径3m弱といったところ。流石長い年月を経ているだけあって、木肌には苔が生い茂り、別の植物が生えていたり・・。
そんなカッコイイ木の裏は崖になっていて、10m位下には川が流れているもんだから高所恐怖症の人は血の気が低レベル。
そんな木を登って!この枝を落として!降りてくるなんてことが!同じ人間にできるのか・・・!おお怖い!
なんて思いを頭の片隅に、夫氏の無事を祈って木に手を添えた。
腰に安全帯を巻いて、足に木登り用の金具をつけて登り始める。
腰と木の周囲を縄一本で繋いで、それを命綱にチェーンソーをぶら下げて身一つで登っていく。
バサバサと枝を落とす様を見て、えぇ?!そんなに切っていいの?!なんて不安になるくらい潔い。
あれよあれよと、木の下の方にあった枝はすっからかんになって、丸裸になった太い木の幹。
落ちてきた枝は、下から見るよりずっとずっと太くて長い。
枝と言っても、若い木くらいの太さはある。
まあでも4年も無事故で仕事をしている人だ、判断を誤るわけはないのでこれでいいんだなぁと見守る。
1本目はものの30分強で終わらせてしまった。
地上に降り立った夫氏は汗だくで、それでも「いやぁ〜楽しい」なんて言えちゃうんだからすごい人。
一服中も家主の方がくれた自家製の梅干しをつつきながら、頭の中は2本目の作戦会議。信じられない、私なら大の字になって諦めてる〜
欅に感じる人間のちっぽけさ。
夫氏は私より30cmも身長が高いから大きいと思ってたのに、欅に登ってる姿を見たら、お猿さんとなんら変わらないんだよなあ。
ただ、ちっぽけでも夫氏は全身で自然に恩返しをしているんだな、って私の目にはうつった。夫氏は恩返しなんて気持ちはないかも知れないけど・・あってもなくてもすごいんだけどぅ。
ある人は、山で暮らし山を守ることは自然への作法だと言っていた。
夫氏はそれを楽しそうにやってのける。
この人は自然を守れる人。いざという時は自然が守ってくれる人なんだろうな。
そんな姿を見て私はまだまだだなって思い知った。
独りよがりの自然でしか暮らせていないんだなぁって。
日が暖かいから、山の水があるから野菜が育つ。パンも育つ。人も育つ。
当たり前のように感じているけど、生涯かけて返さないといけないな。
人間が暮らしやすいように自然を操作するのではなくて、
自然の中で小さく暮らしていくために、丁寧に手入れをする、そんな感覚。
中学生の頃歌った大地讃頌を思い出す。
母な〜る〜大地の〜ふと〜ころに〜 笑
本当、大地は母だなあ、こんなに色々恵んでくれて。
6月なのに暑すぎだろぉぉ〜って思ってごめんなさい、でもちょっと急に暑すぎです、パン種、びっくりしてます。ほどほどにお願いします、すいません図々しくて。