変わる社会、変わる家族:男性の育休取得で見えたもの
去年の厚生労働省の調査によれば、2022年度における男性の育休取得率は約17%であることが明らかになりました。確かに以前に比べて育休取得率は上昇していますが、まだまだ改善の余地があると言えるでしょう。
この記事では私が個人的に育休を取得して良かったと思えたことを紹介します。
1.育休を通じて家族との結びつきが強くなった
育休を利用したことで得られた最も大きなメリットは家族との関係がより深まったことです。以前は仕事が忙しく、家族とゆっくり時間を過ごす機会は思うように持てませんでした。しかし育休を取ることで子供との貴重な時間がずっと増え、子どもの小さな変化や成長を直接見ることができるようになりました。
また妻との関係性も大きく改善しました。お互いでサポートし合うことでコミュニケーションを多くとるようになりましたし、会話をする時間が圧倒的に増えました。育休期間中、家族と一緒に過ごす時間が増えたことで普段なら気づきにくい家族の大切さを再認識できました。
2.授乳に関する問題
通常大人は1日3回の食事で満足できますが、新生児はそうはいきません。特に0~2ヶ月までは3時間おきに授乳が必要です。しかもこれは赤ちゃんによって異なるため非常に不規則です。これを一人でこなすとなると、睡眠時間は削られてしまい体力的にも精神的にも大きな負担となります。授乳が終わったらそれで終わりではなく、その後にゲップをさせなければいけませんし、ゲップ後もすぐに寝てくれるかも不確かです。さらにおむつ交換なども必要なので常に育児に時間が奪われてしまうためワンオペは極めて厳しいです。
しかも通常の家事もしなければならないとなるとお母さんの負担は想像を絶します。私の家庭では母乳と人工ミルクの混合だったため、授乳は妻と私で分担することができたので過度に睡眠時間を減らすことなく乗り越えることができました。家庭によっては100%母乳のところもあると思いますが、その場合であっても男性が家事に専念すれば、お母さんの負担は大幅に減ります。
3.体力の問題
産後、お母さんの体が妊娠前の状態に戻るまでの期間を「産褥期」と呼びます。出産は体力勝負と言われるくらい出産時に全身のあらゆる筋肉を駆使します。陣痛から出産まで長時間かかる可能性もあり、出産後のお母さんの体は疲労困憊の状態です。さらに産後もホルモンバランスの乱れによる体調不良や子宮が元のサイズに戻ろうとすることで起こる後陣痛(生理痛に似た鈍痛)が続くことがあります。この時期に過度な負担をかけると産後の回復が遅れるだけでなく、場合によっては将来、疾患のリスクが高まる可能性があります。男性が思っている以上にお母さんの体は消耗しているのです。そのためできるだけ安静に過ごす必要があります。
しかし、家事や育児は待ってくれません。食事の準備や買い物、部屋の掃除などやることは多いです。こういった状況では体力がある男性のサポートがお母さんの体力回復に必須です。
4.上の子へのケア
前述のとおり新生児の育児は時間・体力・気力の全てが極限の状態になります。これにより、上の子へのケアがおろそかになりがちです。お母さんもとても疲れている状態なのでワンオペ状態だとどうしても赤ちゃんが優先となってしまい上の子がわがままを言ったりするとついつい怒ってしまうことも多いでしょう。上の子にとってはお母さんを独占できなくなり、甘えることができずと環境が一変してしまいます。
その結果、一般的に言われる「赤ちゃん返り」につながることがあります。ある程度の我慢は成長に必要な要素かもしれませんが、過度な我慢や不安は今後の子供の成長にとって良い影響を与えると思えないですし、下の子に対していじわるをしてしまう原因になるかもしれません。
男性が積極的に育児に参加することで、お母さんが上の子に対するケアの時間も確保できます。二人で育児をできたためか私の場合は上の子の赤ちゃん返りは比較的少なかったように思えます。
他にも色々メリットはありますが今回は私が特に育休をとって良かったと思えるエピソードについて書きました。今後も育休や育児に関する情報や経験談について記事を作っていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。