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【福祉note】『たかさんと私』#29 部屋と牛丼と私
私の仕事は、入院中のたかさんのケアや、看護師さんとの意思疎通です。
リハビリや検査など、病院のスケジュールを除けば、たかさんから希望があった場合に対応する感じなので、声がかからなければ基本的に待機です。
私が身を置くのは主に窓際。病室の入り口とたかさんの様子を同時に視界に収めることができるお気に入りのポジションです。たかさんの様子が落ち着いている時は、短時間ですが視線を外して窓の外を眺める余裕がありました。
たかさんが入院していた病室からみて1時の方向、目線としてはやや下のところに、牛丼チェーン店の看板が見えます。
時折窓の外を眺める度に牛丼屋の看板が視界に入ってきます。決して看板に罪はありません。ありませんが毎回視界に入ってきます。
変わらないことで安心感を得られるケースも少なくありませんが、毎日同じ景色を眺めていると、「たかさんはいつ退院できるんだろうか」という焦りや不安のほうが大きかったです。
ですが、たかさんの身体は、少しずつですが確実に退院へのステップを登っていました。そしてついに、今まで入ることができなかったお風呂のOKがでました。
私の体験談の中でも、特に印象に残っている事の1つである、お風呂についてお話していきましょう。
たかさんと私が奏でる【福祉の音】はまだまだ続きます。
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