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「カームダウンスペースは特別なものではない」という話【その②】
お会いできて光栄です
けんです
障害のある人が通う、生活介護事業所で働いています
先日「カームダウンスペース」について書きました
今回は「カームダウンスペースは特別なものではない」という話【その②】
と題して、
・カームダウンスペースのためのスペースづくり
・私の努めている施設での弱点
・実践しているちょっとしたアイデア
などについて書いていこうと思います
カームダウンスペースのためのスペースづくり
カームダウンスペースとは
ざっくりいうと「落ち着つくための部屋」です
部屋を暗くしたり、あえて狭い空間を作ったり、防音材で囲んだり、
いろいろな作りのスペースがあると思います
現場人間の肌感覚ですが、
どのスペースも「刺激を減らす」ことを考えて作られているのが共通点だと考えています
カームダウンスペースを必要とするご利用者さんが
・光の刺激を減らしたいのか
・視覚的な情報量を減らしたいのか
・音の刺激を減らしたいのか
どのようなサポートを必要としているのかを知ることが大切だと思っています
私の努めている施設での弱点
いざ環境を整えようと思っても、
「物理的な問題」という壁が立ちはだかることがあります
私の努めている施設も、いくつかの弱点があります
①大部屋が中心で個室が少ない
メインの建物と別棟を含めて個室が数室しかないので、
カームダウン専用の空間を作ることが物理的に難しい面があります
②個室がいつも使えるとは限らない
ベッドのように横になれる車椅子を使っているご利用者さんがいる関係で、トイレ介助などで個室を使用する場合があり、「カームダウンしたいけど個室が使えない」という状況が起こりやすいです
③小部屋もあるにはあるが、荷物が多い
比較的狭い空間もあるにはありますが、備品倉庫や荷物置き場になっていて、視覚的にはむしろ刺激が多い空間になってしまっています
実践しているアイデア
ちょっとしたアイデアや発想の転換で、
刺激を減らす空間を作り出すことができます
できないからやらないのではなく、
できない中で最大限何ができるかを考えるのが支援の面白いところです
①屋外に椅子を置く
屋内にスペースが作れないなら屋外に目を向けます
文字通り「外の風に当たる」感覚で気分転換ができます
メリットは空間を比較的自由に用意しやすいこと
デメリットは、安全上の観点から完全に1人になることができないことと、季節や天候によって利用が制限されてしまうことです
②大部屋の隅を可動式のパーテーションで囲う
個室が使えないなら、大部屋を区切って空間を作り出す作戦です
部屋の隅と持ち運びができるパーテーションを使って空間を作り、視覚的な情報量を減らします
メリットは、必要なときだけ空間を用意することができること
デメリットは、音の刺激が軽減できないことと、パーテーションそのものが転倒などの危険因子になってしまうことです
③みんなに協力してもらって、個室や別棟の大部屋を使う
事前に対応を擦り合わせておく必要がありますが、
小規模な施設であれば意外と現実的な手段です
さすがにメインの大部屋を全部カラにはできませんが、
別棟の部屋や個室であれば空けることができる場合があります
メリットは、一人になれる空間を用意しやすいことです
デメリットは、部屋を空けることに対して他のご利用者さんも含めた周囲の理解が必要なことです
いかがでしたか?
ちょっとした工夫と配慮で、カームダウンスペース(もしくはその機能を持った空間)を作り出すことができます
・ひとりになりたい
・○○な刺激が苦手 など
これらは誰にでもある当たり前のことだと思います
そういう意味で、カームダウンスペースは決して特別なものではないと思っています
それでは今日はこの辺で
ありがとうございました
また会う日まで
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