見出し画像

【福祉note】『たかさんと私』#31 決して嬉しくないファインプレー 後編

突然の入院から約1ヶ月半、ついに「お風呂」のOKが出たたかさん。

元気印のナースエイド、アラタさんに連れられて、ベッドに寝たまま浴室までやってきました。

手際よく準備をするナースエイドさんの邪魔にならないようにしながら、私もたかさんの足の方に回って、様子を見せてもらっていました。

たかさんが、湯船に浸かるための機械に乗り換え、浴槽の上まで移動したその時、私の目がたかさんの膝の違和感を捉えました。

「機械を止めてください!」
気のせいであってほしいと祈りながら、たかさんの膝を確認させてもらったところ、わずかですが傷口から浸出液が出ていました。

私が口を出して良いのか迷いましたが、何もしないことの後悔がどれほど大きいかは、私自身が一番良く知っています。

看護師さんや主治医の先生に連絡をしてもらい、結果的に入浴は延期になってしまいました。

たかさんをがっかりさせてしまった、という気持ちと、不測の事態を直前で回避できたという気持ちが入り乱れたまま、その日は過ぎていきました。

「明けない夜はない。」
そう自分に言い聞かせ、翌日もたかさんの病室に向かいました。

素敵な「たかさん語録」についてもお話していきましょう。
たかさんと私が奏でる【福祉の音】はまだまだ続きます。


いいなと思ったら応援しよう!

けん
「マスター、向こうにいるじゃんけん弱そうな顔した客に一杯」くらいの軽いノリでサポートしてもらえたら嬉しいです🌈「福祉の本を買う(知的に充実)」「シュークリームを買う(精神的に充実)」など、より良い記事を書くために使わせていただきます🍀