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【福祉note】『たかさんと私』#33 「さっぱり」がこんなに嬉しいなんて

「ロク・イチ・ゴ〜!」
病室に響くたかさんの声。
不意を突かれてビクッとなる私。

この日、午後の回診で異常がなければ、シャワー浴OKと伝えられていました。

不確定な部分が多かったため、直接伝えずにいたのですが、たかさんのアンテナがいつもと違う雰囲気をキャッチしていたのかもしれません。

「おいおいブラザー、君が緊張してどうするんだい?」
そんなたかさんの声が聞こえてきそうなくらい、この日の私は緊張していました。

そんな中での「ロク・イチ・ゴ〜!」ですから、いつもより余計にビクッとなります。ビクッとなった拍子に、ベッドサイドに足をぶつけたのは誰にも言えない秘密の1つです。

とにかく落ち着かない私とは対象的に、とってもマイペースなたかさん。
午後の回診でも異常はなく。入院から約1ヶ月半ぶりに、シャワーを浴びる事ができました。

シャワーのあとのたかさんは、髪の毛サラサラ。私も嬉しくなってきます。

その日の引き継ぎ用紙には、満面の笑顔でピースするたかさんのイラストが書き添えられていました。お母さんがどれだけ嬉しかったか伝わってきます。

いよいよ退院が現実味を帯びてきました。たかさんとの歩行練習の話についてお話していきましょう。
たかさんと私が奏でる【福祉の音】はまだまだ続きます。


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けん
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