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【福祉note】『たかさんと私』#36 ちょっぴり不安なキャラバン隊

退院に向けた準備のため、一時帰宅することになったたかさん。
リハビリ担当のセガワ先生が同行してくれることになったんですが、思わぬところで課題が見つかりました。

「私は病院の車で行くことになりますが、規定上、職員以外の人を乗せることができないんです。」
つまり、セガワ先生は単独でたかさん宅へ向かう事になりました。
「初めて行く場所ですが、ついていくから大丈夫ですよ。」

「じゃあ、たかさんと私は私の車で移動ですね。」
お母さんには、一足先に自宅に戻って用意をしていただくことになっていました。

「いえ、それが、患者さんのご家族さんではない人の車での外出はできないんです。」
いや、もう家族みたいなもんじゃね? とは思っていても言い出せず。

結局たかさんと私はタクシーで移動することになりました。
「よろしく頼むぜ、ブラザー」
たかさんの目は、そう伝えてくれているようでした。

かくして、「運転手が誰一人として『たかさんのお家』を知らない」キャラバン隊が結成されました。
つまり、道を知っているのは私だけ。今でこそ笑える話ですが、結構緊張していたと思います。

一時帰宅の様子について、もう少しお話していきましょう。
たかさんと私が奏でる【福祉の音】はまだまだ続きます。


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けん
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