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【福祉note】『たかさんと私』#12 私が「今の私」になったきっかけ

入院中、物の置き場所がどうしても気になってしまうたかさん。
10日ほど経った頃、ストレスが「気になってしまう」という行動が顕著に現れる出来事が起こりました。

その日も何か気になるものがあったのか、机の方を指さして「あー」と声を出して話しかけてくれました。

指をさしている先には箱ティッシュが1つ。
「置き場所を変えてほしいのかな?」と考えましたが、場所を動かしても収まる様子がありません。
「ティッシュ使いますか?」と聞いても、
「いらんの!」と返ってきます。

対象はティッシュで間違いなさそうです。
脳みそフル回転で考えて、まさかとは思ったんですが…

箱から出ているティッシュの角度を真っ直ぐにする。

やってみたらピタリと収まりました。
(コレ!? たかさんコレが気になるの?)
たかさんも、言葉にならない言葉で語り合った充実感で満足そうでした。
(そうさ、これからもティッシュは真っすぐで頼むぜブラザー)

程なくして、疲れたのかウトウトし始めたたかさん。

私はベッドで横になる彼にむかって、無意識に語りかけていました
「貴方に世界はどう見えているの?」

これが、今の私が誕生するきっかけになった出来事です。

たかさんのもうひとりの相棒、ガーコについてお話しましょう。
たかさんと私が奏でる【福祉の音】はまだまだ続きます。


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けん
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