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【福祉note】『たかさんと私』#21 たかさんのひとりごと
たかさんは、時々思い出したようにひとりごとを呟いてくれることがあります。
思わず笑顔になるものから、ドキッとさせられるものまで、リハビリの再開を待つ間は、どうしてもベッドで寝ている時間が多いため、ひとりごとをたくさん聞くことができた時期でもありました。
「大変だ、大変だ、ガーコ、ガーコ、大変だ〜」
「何をしておるのじゃ〜」
「どこへ行くのじゃ〜」
「たいくつやな」
「豆腐食べた、ご飯食べた」
正直、見ているのも辛いほど痛々しい様子のたかさん。時折私の心のゆらぎを察知したかのようなタイミングで飛んでくる面白い言葉に支えられ、付き添いを続けることができました。
たかさん、ありがとう!
(何言ってるんだブラザー。そんなことよりお茶のフタをパチっと閉めてくれよ)
緊急の処置から約1週間。主治医の先生から、徐々に血が綺麗になってきた、という話を聞くことができました。
膝のチューブを抜くことができれば、リハビリを再開することができる。たかさんは「いつまで」や「いつから」を理解することがとても苦手ですが、ゆっくりと何度も声をかけました。
「チューブが取れたら、リハビリしましょう」
そう言えば、たかさんの食事についてお話するのを忘れていました。
たかさんと私が奏でる【福祉の音】はまだまだ続きます。
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