【福祉note】『たかさんと私』#5 白ごはん事件 〜序章「プロポーズ以上」〜
「あの時何もできなくてごめんなさい。退院するまでお手伝いしたいです。」
普段なら言いたいことをグッと飲み込んでしまう私でしたが、入院しているたかさんに付き添うことになった初日、ストレートに自分の気持ちを伝えました。
ベッドに横になり、苦しそうにしているたかさんを前にすると自分の無力感というか、申し訳なさのようなもので心が一杯になりました。たかさんは言葉のキャッチボールが得意ではありませんが、気持ちは必ず届く、そう信じて勇気を振り絞ったのを覚えています。
パートナーにプロポーズしたときより緊張しました。いや、ホントに…。
たかさんのお手伝いをする時の、1日の流れはこんな感じです。
・朝、お母さんとバトンタッチする
↓
・日中、身の回りのお手伝いや、医療関係者さんとのやりとりのサポートをする
↓
・夕方、お母さんとバトンタッチする
ご家族さんの立場からすると、「怪我をした家族を、怪我をした施設の職員に託す」わけです。すぐには無理でも、「託して良かった」と思ってもらえる仕事をしたい。「退院までお手伝いする」というたかさんとの男の約束も守りたい。
そんな思いが、私をある行動へと駆り立てます。
今思えば「なんでやねん!」な白ごはん事件はいよいよ核心へ。
たかさんと私が奏でる【福祉の音】はまだまだ続きます。
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