その時



電話を終えた婆さんと私は病院へ向かった。



婆さんの運転。

私は助手席で家族親戚に電話をかけ続けた。







何度も何度も婆さんを励ました。


希望を捨ててほしくはなかった。



いや、私が信じたくなかった。



私の予感を。私の確信を。私の焦りを。絶望を。



全部全部私の思い過ごし。そう思いたかった。


まだそう信じたかった。



最後まで婆さんの側で、爺さんを想っていたかった。









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