少し登った山の上に中学校があった。そこでの出来事は、極めて普通の出来事の繰り返しである。
小学生だったユウタは、大人になった。大人になってから思い出した子どもの頃の思い出は、当時よりも優しく、のんびりと眺められるものになった。
四人の子どもたちは、それぞれの季節に、それぞれの季節の、素朴なふしぎを心に抱く。サンタクロースの正体は? 水平線には何があるの? どうして秋にサクラは咲かないの? 冬眠しちゃって大丈夫? 小さな不思議に、小さな夢が、「答え」をくれる。子どもの頃に見たそれは、夢か、はたまた現実か。彼らは、いつまで自分が見たものを夢か、現実か、と迷い続けられるのだろう。四人の少年少女たちが経験した思い出の、ささやかな短編。