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冬のシベリア⑧ ヤクーツク編 口琴博物館の出会い そのニ
「このパンはレピョーシカと言って、バター、塩、ぬるま湯、牛乳、小麦粉で作ります」
まるで日本人と会話してるかと錯覚してしまうほど視聴覚的に日本人な博物館館長の子息Pさんは饒舌に語る。
私たちは宿で合流した後、タクシーでレストランへ向かいワインを飲みながら食事をしていた。
彼はサハ共和国の経産省的な所に勤務しているエリートだ。学生時代は言語学を専攻していたが、ある女性に振られた事がキッカケで人生が180度変わり今の職に着いているという(どういった経緯なのかさっぱりわからない)。
「私はもう26才なのに結婚していません。このまま一生独身かも知れない、、!」
アラフォーで独身だった私に彼は真剣に悩みを打ち明けた。この国はそんなに結婚年齢が早いのだろうか。
ヤクーツクの高級レストラン
食事をしている場所はサハの写真や骨董品が飾られた高級そうなレストランだ。
手の込んだ料理が次々と運ばれてくる。
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半分凍っている
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料理はこれまでのレストランとは一線を画したもので、サハを感じさせながらもフュージョンを取り入れた先鋭的な料理であった。味も申し分無く美味しい。
私「ヤクーツクに来て馬肉がとても美味しくて感動しました」
Pさん「そうでしょう。実は仔馬肉を日本に売り込みたいんです。何かルートを持っていませんか?」
飲食店オーナーと名乗った手前、何か私に期待している口調で尋ねてきた。申し訳ない、わずか15席のしがない店を営んでいる私は経産省の人間とのビジネス交渉には釣り合わない、返答に窮した。
その後は彼の日本留学時代の思い出話などを肴にワインと料理を平らげた。私も久々に日本語を話せたのとワインの酔いですっかり良い気分になった。
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2人とも酔いが回った頃にこんな話を切り出された。
Pさん「私はどうしても知りたい日本人の心があるんです」
私「何ですか」
Pさん「『ワビサビ』について知りたいんです」
私「知りません」