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エチオピア② インジェラ編

覚醒植物「チャット」を手に入れた私は、さっそく宿で食べてみることにした。味は見た目通りの葉っぱ味、青臭い風味に苦味とタンニンのような渋味があり決して美味しいとは言えない。エキスを絞り出すようによく噛むのがコツ。数枚食べ終えてからベッドに座ってしばらくボーっとしていたが、この時は特に変化は感じられなかった。

恐る恐るチャットを数枚食べた
後に大量に食べないと効果が出ない事を知る

エチオピア 料理の独自性

チャットの効果が確認できないのは残念であったが、そもそも料理の勉強でこの国に来ている事を思い出した。そう、葉っぱ食べてる場合じゃない、飯を食べるんだ。

食事処を探しに街をうろつく
ショッピング街


エチオピアという国はアフリカで唯一、植民地化された過去がほぼ無い国(5年間だけイタリア領であった時期がある)だ。そのため他の国々に見られるような欧州ナイズドがあまり無く、独特な料理が残されている。

発酵クレープ「インジェラ」

エチオピア 料理を紹介する上で最初に語られる(というか語りたくなる)もの、それは主食のインジェラ。
テフと呼ばれるイネ科の植物の実を粉にして、水と混ぜてから三次発酵を経た後に焼いて作る酸っぱいクレープ状の物だ。これを日本人のお米位の頻度で食べる。
また、外国人にはめっぽう不評で有名でもある。
ネットで検索しても「見た目ぞうきん、味はゲ○(嘔吐物)」のようなワードがヒットしてくる。

まず見た目だが、発酵を繰り返している為、生地上に気泡痕が大量に出来ている。ぞうきんというよりは牛の胃袋の1つ「ハチノス」に似た印象だ。この気泡痕が無いと発酵が上手く行っていない事になるので大事な指標である。

グルテンフリーのスーパーフードとも言われる
インジェラ
集合体恐怖症の人を寄せ付けない

味に関しては、とにかく酸っぱい。「ゲ○」というワードを事前に閲覧してしまっていたので、胃液の様な風味を覚えてしまった。また、稲ワラの様な香りもするので、酸味と一体化すると牛小屋の様なイメージも湧いてくる。
「これを毎日食べる事になるのか、、」と、何でも食べれる自慢をしている私もこの時ばかりは気が重くなった。
そんな心配をよそにインジェラは各々のレストランで様々な形で供される。
以下写真で見てみよう。

正統派(?)スタイル
中央に豆のペーストが鎮座している
捻る前の中尾彬スタイル
ガレットスタイル
おしぼりスタイル
おしぼりスタイルその2

この様にオカズの下に敷いたりクルクル巻いて横にサーブしたりされる。味はどこもほぼ同じ。
食べ方は手で千切ってオカズと一緒に口に運ぶ。
そして、まさかのオカズも酸味の効いた料理が多い。これには面食らった。梅干しを酢飯で食べる様なイメージでは追いつかない。酸味が口内にどんどん蓄積されていく。

渡航初日、インジェラを何とか平らげた私は宿に戻るとまさかの、、




毛布もインジェラ柄!夢に出てきそうだ


しかしこの宿は連れ込み宿としての機能も果たしており、隣の部屋から一晩中セクシーな声が漏れ聞こえてきて夢を見る暇も無かった。というか眠れなかった。


この日以降インジェラを食べ続ける事で、口も慣れてきて徐々に抵抗は無くなっていった。苦手料理の解消は私のお家芸かも知れない。ダメな人はずっとダメだと思う。
その証拠に以下の出来事を紹介する。
現地主催の外国人向けツアーに参加した際、夕食がビュッフェスタイルで供された。
数種類のオカズ、主食はインジェラとツアー客に配慮したと思しきピタパンの2種類がサーブされた。

せっせとオカズを準備してくれた
上部右がインジェラ、上部左がピタパン


ピタパンは完食、インジェラは悲し過ぎる位残されていた

これからもわかる様にインジェラは本当に外国人から避けられている。私は孤軍奮闘の如く1人インジェラを食べていた。



インジェラ イン インジェラ


インジェラは主食と書いたが、実はオカズにもなる。
基本的に毎日焼いて食べるそうだが、時間が経つと固くなってしまう。
そこで古くなったインジェラをどうするかというと、辛いソース等と炒めて新しいインジェラに包んで食べるという。「フルフル」という料理の登場である。

インジェラ上級者向け料理
「フルフル」

わかりやすく米料理で例えるなら、古くなったご飯をチャーハンにして炊き立てのご飯に乗せて食べる、といったところか。、、、は?



以上、インジェラについて私見を綴ったがいくらか魅力は伝わっただろうか。
機会があればぜひご賞味いただきたい。

余談だが旅の途中に一度日本食レストランに立ち寄った。席に着くや否や店員が「イラッシャイマセ」とインジェラをお盆に乗せて持ってきた。「ぬおっ!」と反射的にたじろいでしまったが良く見たらオシボリだった。

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