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モンゴルとゴビ砂漠⑩ 終章

砂漠の旅も終盤に近づいた頃だ。遊牧グルメや砂丘遊びに我々は本来の目的を忘れ、心はすっかり満たされていた。

砂丘を駆け降りるドライバー
この後全裸になる3人
「日本人は砂漠で脱ぎがち」と聞いたことがある



最大の有力情報

しかしながら遊牧民へモンゴリアンデスワームについての聞き込みは続けていた。
実のところ最初は仕事と割り切って関心を示さなかったガイドのOさんは、時を経るにつれデスワームへの調査に前のめりになっていったのだ。我々を焚き付けるように取材に勤しんでいた。
そんな中とあるゲルで有力な情報を耳にした。
聞き込みした対象は中年女性で、取材時の前年に薬草取りをしていたところ、ヘビとも違う太くて長い生き物に遭遇したという。
それから何とその生物を捕まえてペットボトルのような容器に入れてしばらく飼っていたという。
我々調査隊とOさんは息を飲んだ。
その後どうなったか尋ねると、「食用にならなさそう」という理由で野に放ったという。


旅も終盤に何とも有力な情報が入ってきてしまった。以前の聞き込み調査で「長老」が話してくれた内容(※ズルガナイオアシス前編参照)と比べるとモンゴリアンデスワームのイメージにかなり近い。しかも目撃情報は取材時の1年前というそれなりに新鮮な情報だ。
我々調査隊内でゴビの滞在を延期して新たな目撃情報のエリアを調査すべきか議論が為された。
調査隊は当時会社員や自営業、フリーターで構成されており個々に捻出した休日を何とか合わせて今回の旅にスケジューリングした。更には我々の疲労のピークもあり旅程の延長は厳しいと判断し、追加調査を断念した。


伝統と伝説の狭間で

帰路も間近に迫った頃に立ち寄った博物館がある。
そこにはゴビの伝統的な暮らしに関わる物や動物等が展示されいた。

展示されているフタコブラクダ

上記の動物コーナーに差し掛かった時に思わず目を疑った。

画像の左下辺りに注目して欲しい。

何とデスワームのレプリカが展示されていたのだ。
説明分には伝説の生物のような内容が書かれている。サイズとしてはかなり小さめだが我々が取材で聞いた「ヘビとも違う」生物のイメージにぴったりと合致する。点と点が繋がる瞬間であった。


デスワームは存在する。
我々はそう確信し、帰路に着いた。


今もゴビの何処かで蠢いていることだろう。


モンゴルとゴビ砂漠シリーズ 完

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