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モンゴルとゴビ砂漠⑤ ズルガナイオアシス 前編
モンゴリアンデスワームの調査地までの中継地点であるセブレイのゲル集落を出た我々は、目的地となるズルガナイオアシスへと車を走らせた。
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広大なゴビはとにかく移動時間が長い。車中では英語が堪能なガイドのOさん(英語を話せないドライバー2人にも通訳してくれた)と色々な話をした。
モンゴリアンデスワームについては、3人とも聞いたことあるような無いような反応だし、存在しないだろうといった面持ちだ。しかしあくまでビジネスなので依頼を受けてくれたのだろう。
日本にやってきた外国人が個人ツアーのコーディネーターに「ツチノコを探したい」と言ってきたようなものだろう。金さえ払えば一緒に探しますよ、と。
モンゴリアンデスワーム、事前情報では牛の腸の形に似ていることから現地で「オルゴイコルコイ(牛腸虫)」と呼ばれているとされていたが、Oさんによると正しい発音は「オルゴイホルホイ」だそうだ。
オルゴイホルホイに纏わる目撃証言は昔から色々とある。体長については50センチ〜1.5メートルほどで、毒液を噴出したり電気を帯びていたり、発光したりと特徴に関して枚挙に暇がない。しかしどれも凶暴で人々を襲う印象だ。
ネットなどの情報を収集すると、存在が外国人に囁かれるようになったのは1800年代のロシア人研究チームに始まり、その後も1920年代にアメリカの古生物学者の書物、社会主義体制崩壊後の1990年代に至ってはチェコの伝説動物学者による長期の現地調査報告があがっている。なぜ体制崩壊後かというとその前までは共産党政府が調査を禁止していたらしい(政府は存在を否定)。更には2000年代にもズルガナイオアシス付近で目撃証言がある。
さすがに電気を帯たり発光するなんてエピソードは尾ひれはひれの類と考えるが、UMAといえど90年代までまともに調査できなかったことに存在可能性を感じた我々は現地までやってきたのだ。
長老との出会い
実はセブレイのゲル集落滞在時に、Oさんにお願いしてオルゴイホルホイを見た事がある人がいないか聞いて回ってもらっていた。
すると1人の老人(以下勝手に雰囲気を出す為『長老』と記す)のゲルへ招かれた。日もすっかり暮れた頃である。
我々はゲル内の真ん中に鎮座するテーブルを中心に円状に座って話を聞いた。客人をもてなす作法なのか長老は古びた香炉のような物を嗅ぐと、それを時計回りに皆に嗅がせた。一通り嗅ぎ終わると、長老が口を開いた。
「あれはわしが二十代の頃だった(Oさん通訳)」
おお。まるでRPGの世界にトリップしたような感覚だ。
話を要約すると、若き日の長老は放牧で帰りが遅くなってしまったある夜に、これまで見た事のない生き物が月の光を浴びてか白く光っていたのを目撃したという。
皆思わず息を呑む。形状はどんなものかOさんに聞いてもらったところ、壺みたいな形をしていて触手のような物が出ていたという。ワーム状では無いようだ。
オルゴイホルホイとは考え難いが、未知生物を探す我々に取っては衝撃的な話であった。
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調査地へ向かう前日にこの話が聞けたのは我々の期待値を引き上げてくれた。
ズルガナイオアシスは中国国境に近い事から、無闇に外国人が立ち寄ると色々と問題が起きかねない。ましてや動体検知カメラのような調査用グッズの所持は普通の観光客とは到底思われない。
事前に近くの集落の警察署へ立ち寄り、調査許可を申請した。
オルゴイホルホイが発見された場合、世紀の大発見は間違いない。手柄を事前に明確にしておく為に、発見されたあかつきにはこちらへ最初に届け出ると約束した。プレゼン中にカメラの隠し撮りがバレて
、一時はどうなるかと思ったが最終的に調査許可を出してくれた。
ズルガナイオアシス到着
オアシスへ辿り着くのは容易では無かった。
あっちでもないこっちでもないと同じ様な景色が広がる雄大な大地で、集落でも無い場所を探し回るのは骨が折れる。車内でループされるモンゴルのヒットソング集のメロディをすっかり覚えた頃、乾燥した大地にオアシスは姿を現した。
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オアシスといっても雨季以外は干上がってしまうらしい。オルゴイホルホイの目撃証言は我々が訪れた6月付近に集中している。
一年の多くは地中で過ごし、雨季になると地上に現れるとされている(まるでミミズのようだ)。
水辺に来て感じたのはブンブン飛び回る虫がとても多いことだ。水は生命の根源であり、オアシス付近に生物が多いのは納得できる。
我々は早速水辺付近などの複数箇所にポイントを決め、動体検知カメラを設置した。
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デスワームにやられたのだろうか
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肉食なのか不明だが、途中で捕まえた小さいトカゲも囮にならないかと虫籠に入れてカメラ付近に置いたりもした。
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続く。