モンゴルとゴビ砂漠① 序章
2016年6月、我々3人は北京空港の待合ゲートでウランバートル行きのフライトを待っていた。
偶然隣にいた肉付きの良い優しそうな顔をした男が、日本語を話せるモンゴル人であった。
モンゴル人と聞いて私達はどうしても尋ねたい事が念頭にあった。
「オルゴイコルコイについて何か知っていますか?」
男は首を傾げる。伝わっていないようだ。
「ゴビ砂漠にいると言われている、巨大なミミズです」と説明を加えた。
男は一瞬困った顔した後、「雨降った後、地面を掘ると出てきます」と述べた。
手のジェスチャーからして明らかに普通のミミズを表している。
何でそんな事を聞くのかと怪訝な表情になっていく。
唐突にこの質問はまずかった。話題を変える。
「モンゴルで美味しい料理は何ですか」
「モンゴルには『ホルホグ』というとても美味しい料理があります」
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