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冬のシベリア④ ヤクーツク編 市内散策
厳寒の玄関
ハバロフスクからのフライトで夜遅くにヤクーツクへ到着した私は、空の玄関口から1人取り残されていた。タクシーが一台もない。気温はマイナス40度代後半。
キーンと冷え切った闇夜は何物にも変え難い。息を吸うと肺が急冷されゲホゲホとむせかえる。鼻毛が凍りつく。
そんな中、空港から1人の男性が出てきた。泣きつくように私は駆け寄って話しかけたら偶然英語が通じた。宿までタクシーで行きたい旨を伝えると男性はスマホを取り出し通話を始めた。
男性「ダー、ダー!(はい、はい)ハラショー!(いいね)」
白いモクモクした息を吐きながら男性は応対していた。
電話を切ると男性は私にこう言った「今車がこっちに向かってきているからそれに乗ってくれ!『トヨタ』って車だ、わかるか!?」。
トヨタ、それは祖国の車。
興奮した私は「スパシーバ!(ありがとう)、ゲホゲホ!」とむせながらお礼を伝えた。
なんとかタクシーにありつけた私は無事予約した宿へ到着した。しかし前払い制の宿で支払いをカードで決済しようとしたらエラーになってしまった。何度やっても上手くいかない。現金も持ち合わせがない。受付の女性の顔がみるみる不信感を募らせている。やっとたどり着いた宿なのに今から放り出されたら生きていける自信がない。
さすがにそこまで鬼ではないので、一先ず翌日まで支払いを待ってもらった(結局カードが上限に達していたのが発覚し、増額して事なきを得た)。
街歩き
翌朝さっそく市内を散歩することにした。昨晩は暗がりで良くわからなかった。建物内は驚く程暖かいので、ギャップが凄そうだ。
防寒グッズを念入りに着込み、建物の二重扉を開けていざ凍てつく世界へ(マイナス48度位)。
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雪こそあまり降らないが常にガスに覆われたような視界だ。しかし人や車の往来は結構あるし、街としてはそれなりに発展している。
息を吸うとむせると述べたが、口を細めてゆっくり吸うとむせにくいことがわかった。
歩いて5分くらいすると、まつ毛や鼻毛が凍ってくる。
長時間の外出は基本無理そうだ。
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街中を歩いていて1番恐ろしいのは車である。道路を横断していると「キュルキュルキュル!」と白いモヤから突然車が滑ってくる。しかし慌てて走ったりしても転ぶから危険だ。
車は計算してブレーキを掛けており、横断歩道手前でちゃんと止まる。まるでカーリングのようだ。
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人々の服装も暖かそうなものから心配な程軽装なものもある(車から一時的に出てるだけなのかも知れないが)。ちなみにサハ共和国はロシア系とアジア系、それらのミックスの方達で基本的に構成されている。サハ人(ヤクート人とも)というとアジア系(モンゴロイド)を指す。
以下の写真は少し気温も上がってモヤが晴れた日に撮ったものだ。
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タバコを吸う余裕がある
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街中はセントラルヒーティングシステムと言って、大きなパイプが張り巡らされており、各建物にヒーターが供給されている。そのお陰で建物内は常に暖かい。
しかしながらこの国は夏場はなんと30度位までの気温になるというから更に驚きだ。