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都内マンション価格高騰に思う、私の人生リスク耐性のなさ
以前、独身の頃にマンション買っておけばよかったなぁという悲哀を記事にした。
今都内のマンションの価格が高すぎて子育て世代の都内離れが進むと聞く。
独身の頃に私が小さな資産を育てる経験をしていたら、本格的な価格高騰の前に夫婦でマンションの買い替えで広さも設備も立地もグレードアップしていたのでは、と思う。
どういうわけか、この冒頭の記事のPVは、私の中で自己紹介に次ぐ2位。その理由はXでマンション通の方に拡散されたからのようだった。(PVの割にスキが少ないのもそのためか)
2016年にNHKクローズアップ現代でマンションの高層階を渡り歩く「空中族」が取り上げられた。マンションの目利きが住み替えで利益を増やしていくが、驚いたことに普通のサラリーマンもいると言う。そうした高度な知性と度胸を備えた人もいる一方で、マンション購入の難しさを感じている人は案外多いのかもしれない。
冒頭の記事としては「結婚の予定がないうちに僕はマンションを買わない」という営業の余計な一言で一気に気持ちが萎んで購入は諦めた、という内容。
しかし、マンションを買いきれなかった本当の理由は「お金がなくるのが怖い」と言う不安(というか思い込み?)だった。
お金がないから不安だとお金を貯めこんで人生最高残高を死ぬ瞬間に記録するのは確かにもったいいない。
けれどお金に不安を抱えて生きるのも辛いし、子どもに不自由をさせるわけにもいかない。
じゃあ、どれだけ稼いでどれだけ貯めてあれば自由にしていいのか、感じ方は人それぞれだ。
子どもが大学まで私立なら3000万要るというのもまた恐怖を煽る。我が家は2人子どもがいる。35歳と40歳の時に出産したので働けなくなる年齢を思うとある程度蓄えもほしい。
私はこの、貯めておきたい!という「貯め体質」が強めだと思う。
だから30歳頃独身でマンションを買えなかったのだろう。
ファイナンス上は問題はなく、不動産は安い時代だったけど同額で売れたら家賃代はタダになるのに何を恐れていたのだろうか。確かに貯金はなくなるけど資産は増えるじゃないか。
田舎で育ち(家は資産とはならない)倹約な親の元で育った(貯金残高🟰安心)影響はありそうだ。
紐解くと更に私の「貯め体質」が顔を出す。
独身時代のマンション購入で心揺らいだ原因の「なくなったら嫌だな」と思ったお金の実態としては新卒から勤めた会社の一般財形貯蓄と(今思えば住宅用にしてもよかった!?)、持ち株(退職時に売却、かなり利益が出た)。投資信託と普通預金は生活防衛費も含め手を出さないつもりだった。
実は、これらのお金はすっからかんになると想定したときがあった。
私は社会人3年目に私立の法科大学院を受けて(名門と言われる大学ではありません)特待生として合格した。その時は弁護士になりたかったのだ。
だけど自分の学力にも自信がなかったし、仮にストレートで卒業、司法試験に受かっても働くのは30歳を過ぎてからと思うと、思い切れなかった。親からのサポートも見込めず、国家試験に受かるにはバイトをする余裕もないであろう大学院生活に不安しか感じなかった。
情けないことに、私は結局、入学金10万円を捨てることさえ躊躇してそのまま入学を見送ったのである。
一度はなくなるかもしれないと思ったお金なら、理想の住まいのためにはたいて仕舞えばよかったのでは。
ちなみに弁護士への道を絶ったあとは仕事に精を出し、キャリアの面で特に不満はない。結婚や子どもという「大人の宿題」にも手をつけて一定の安心を得て生活している。
ただ、引っかかることもある。
私はデカい勝負に弱く、リスクを取るのが下手すぎなのでは?と言うことだ。
すっからかんになるのが怖い。
それはいけないことではないとは思うけど(子どもがいたら慎重にしなければ)、人生安全なチョイスばかりではない。
リスクの取り方を学ぶ必要もあるのでは。
いつかとんでもない代償があるとも思える。いや、現にマンション買い替えできない問題がある。
配偶者や子どもがすっからかんになっても賭けたいものがあるのなら「よし、行け!」「行こう」と言える自分でいたい…
と言えるようになったのは家族構成、蓄え、年俸にある程度満足してからで(これだけでもありがた過ぎるが)、その時にはもうマンションが買えないなんて…
住環境、住宅、キャリア、蓄え、収入、子どもの数…この辺りの優先順位は夫婦でよくよーく擦り合わせた方がいい。
どうか必要な人に届きますように。