外資系企業ワーママ、日本人の家事レベルの高さに今更気づく
育休含め19年社会人、うち11年は外資系に勤めている(現職も)。8年の日系企業時代も外国の人との仕事が多かった。
思い返して思う。
こんなに家事してるの日本人(女性)だけじゃないか?!
家事の中で最もスキルを要し時間を食うのは炊事。これを例に取って話を進める。
炊事の炊は、ご飯を炊くこと?!
そもそも、ご飯を炊くのは日本人とか、アジアの限られた国だけ。
朝はシリアルやオートミールやパンな欧米人に対してご飯に味噌汁な日本人は朝から家事のしすぎではないだろうか。
お弁当は、いわずもがな。
外国でハムを挟んだパンにぶどうを放り込んだボックスがランチボックスとしたら、日本人はこれまた米を炊きおにきりに具を詰め海苔を巻き、おかずを作る。
「うちは手抜きよー、卵焼きと、ウインナー焼くだけー」って言っても、トマトのヘタを取ったり枝豆をピックで刺したり卵焼きをカットしハート型に配置したり…
なぜここまでしているのだろうか!?
それは、「そんなこともしてもらえないなんて子どもが可哀想」「それくらいしないと母親失格」と思うからではないだろうか。
特に母親がそう思わされるのがポイントだ。
アメリカの関係会社に長期出張していたとき、ランチはみんなスーパーで買ったサラダやサンドイッチ。手作りのタッパーを持参していたのはインド人だけ、中身は毎日カレー。愛妻弁当なんて見たことも聞いたこともない。
タイ、シンガポール、マレーシアなどアジア諸国に出張したときは、自炊していない人も多かった。朝ごはんから外で済ます。外資系のアジア組織は女性の上位職位者も多いけど、家にお手伝いさんがいたり、料理をしなくてよいからではないだろうか。中国人は夫が料理係の人が多かった。インド人の女性が、インドでは女性が薄いパンを焼く係だと文句を言っていたが育児は夫がしていた。
夜ご飯はさらに悲惨。
ご飯に味噌汁、メインおかずに副菜。1汁3菜をよしとし、メインをラクして肉を焼くだけにして惣菜は買ってきて手抜き、とかメインも副菜も高機能調理器でほったらかしとか、「時短」や「ズボラ」は要は「ちゃんとした料理」の簡易版。
海外の映画を見ていると、夜ご飯はピザをオーブンで焼くだけとか、ラザニアあっためたり、肉にグリンピースこんもりのサイドディッシュだけとか、そんなもんだ。
以前、外国に住む学生時代の友人(夫は外国人)のうちに招かれたけど、振る舞われたのはただのパスタ。共働きで子どもがいて普段は料理などしていない。(それでも寝かしつけだけで首が回らないと言っていた)
アメリカのスーパーは冷凍食品売り場に温めたら食事になるものが夥しい量並んでいる。それがよいか、美味しいか、栄養バランスがよいかは別として、家事なんかしなくても生きていける。洗い物だって少ない。
日本はちゃんとした料理がデフォルトで、ミールキットや高機能調理器具や作り置き術やらを駆使して時短している。それをしないと「母親の資格なし」になってしまう。
なぜそんなに追い詰められてしまうのだろうか?
おかずが一品でも野菜が何種類も入っていたらそれでいいじゃないか。
いや、お味噌汁にお肉も野菜も入っていればおかずがなくてもよいのではないか。
ご飯はなくても鍋にラーメンやうどんをいれたらいいじゃないか。
お惣菜を買ってもいい。
それを「手抜き」なんて責められると日本の女性はどんなに働いてもいつまでも家事に追いかけ回されるように思う。
日本の家庭料理は高レベルで女性が主に作る。あらゆることの国際化が進んでもなぜかこれだけは変わらない。
美味しいものが食べたい人や子どもに手の込んだものを食べさせたい人がすすんで作るのはいいのだけど、その家で料理をする人がいなく消去法で母親がしているなら、「ちゃんとしてない料理」だって、外国みたいに「しない」もありでは?
あと、手の込んだ料理を食べたい殿方は自身で作られませ。