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指示をしないという指示

 みなさんは、クラスに対して日々どのくらいの指示を出しているでしょうか。

 例えば、安全に関わることのように必要性の高い指示については誰もが即座に出すと思います。これは私も同じです。

 私は、特に必要性の高くない指示は絶対に出さないようにしています。児童が考え、気付くことに価値を置いているからです。

 換言すると、「児童が考える時間を、教師が絶対に奪わない」と心に誓っています('◇')ゞ

 これは、私が考動クラスを作り上げる上でかなり重要度の高い心構えです。

 数年前までは当たり前のようにしていましたが、今はするのをやめた指示はこんな感じです。

☑時間割が貼ってある上で朝の会で行う「1時間目は○○で、2時間目は✕✕。3時間目は、…」
☑テストを行うと分かっている時の「テスト隊形にしてください。」
☑5分休み中の「次の時間の用意をしましょう。」
☑移動教室前の「廊下に並びましょう。」
☑次の時間がグループ活動だと分かっている時の「机をグループの形に動かしてください。」 等々・・・。

 抽象化すると、「児童がちょっと考えれば気付けることを、教師が先回りして言わない」といった感じでしょうか。

 別にこの指示をしたところで、クラスは大崩れしないでしょう。

 私がこれだけ指示を減らすことにこだわっている理由は、「自分の頭を使って考動できた子」や「先回りしてクラスに指示を出した子」を見つけ、価値づけするためです。

 これらの子を大いに褒めた後、毎年必ず伝える話があります。

 (前の方に座っている児童に向かって)
 「○○さん、ごめん。先生、寒いから、前の扉を閉めてもらえる??」
 
 (経験上、後ろのドアも閉めてくれます。また、気が利く子は窓を閉めたり開けたりしてくれます)

 ありがとう、みんな優しいね。

 ところで、ここにスマートフォンがあります。「Hey,Siri。1分後に教えて。」
 これは、人工知能でものすごく頭がいいです。ですが、どんなに頭がいいスマホ君でも、「ついでに2分後も教えますか?」とか「明日もこの時間に1分計りますか?」とは言ってくれません。つまり、人工知能は指示されたことは絶対にしてくれますが、指示されないと何もできないのです。
 では、みなさんはどうでしょう。先生は、さっき前の扉を閉めてほしいと言っただけなのに、後ろの扉を閉めてくれる子もいれば、窓を閉めてくれる子もいました。それが、先生が大切にしている考動です。みなさんは、指示がなくても動くことができる人工知能よりも優秀な頭をもっています。そんな優秀な頭、使わないともったいないと思いませんか⁉⁉(*^-^*)
タイマー音「ピピピピッ!」
子供たち「お~!!(パチパチ)」

 教師からの指示があまりにも多いと、クラスはだんだんと落ち着きをなくしていきます。(もちろん教師の力量や児童との関係性、声のトーン、言い方などに影響されるので一概に言えませんが…)

 今出した指示は、本当は児童にとって不必要だったかもしれません。緊急時以外は、児童が考える時間を教師は極力奪わないようにすべきだと肝に銘じています。

 本日もお読みいただき、ありがとうございました。次回は、「答えを思考させる”問い返し3点セット”」というお話です。



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