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考動クラスづくりは、質問との闘い

 まず、考動クラスの最大のメリットをご紹介します。

 それは、「自治力が身に付く」ということです。

 自治力が身に付くと、クラス運営が児童主導で行われ、担任が1日不在でも難なく生活できるようになります。

 私は恥ずかしながら1年生の担任はしたことがないのですが、その他の学年では実践していました。いわゆる「大変な学年・クラス」を担任した際も、この経営で何とか乗り越えてきました。

 今日は、こんなクラスを作るために私が最も大切にしていることをお話していきます。その名も、「考動クラスづくりは、質問との闘い」です。


 4月。考動クラスづくりのために私が最も徹底するのは、「児童が質問ゼロでも生活できる環境を、いかに早く整えるか」です。

 児童は日々さまざまな質問を絶え間なくしてきます。

「次は何の授業ですか?」
「今、休み時間ですか?」
「忘れ物をしたんですが、どうすればいいですか?」
「いつ着替えればいいですか?」
「何すればいいですか?」・・・

 それだけ教師を信頼しているという捉え方もできますが、質問にひっきりなしに答えていると他人の頭を使う習慣が作られてしまいますし、何より教師が質問疲れしてクラスを俯瞰的に見るための精神的・時間的余裕がなくなります。

 私もまだまだ経験が浅いですが、何となくクラスの落ち着きと質問の少なさは相関関係があるように思っています。

 考動の習慣を築くために、なるべく早いうちに児童の頭の中から「困ったらすぐに先生!」という思考パターンを取り除いてあげる必要があります。具体的な指導方法をご紹介します。

①最初の1週間は、全ての質問に丁寧に答える。その際、よく考えたり掲示物を見たりすれば解決できる質問には、「〇〇に書いてあるよ」「〇〇を考えれば分かるよ」という自己解決へ導く言葉を必ず添える。
②2週目の頭に、以下の内容を話す。
「先週、先生は皆さんからいろいろな質問を受けました。質問には、大きく分けて2種類あります。それは、学習に関する質問生活に関する質問です。学習に関する質問には、先生はいつでもいくらでも答えます。ですが、今日から生活に関する質問は、1日にクラスで10個までとします。先生がカウントしていきますので、生活に関する質問はいざという時のために大切に使ってくださいね!」

 ポイントは、この話をいかに楽しそうに話すかです。深刻に話すと、児童はネガティブなルールが始まった…と顔がこわばります。

 ですが、教師があたかも新しいゲームを始めるかのようにウキウキで話すと、児童もゲーム感覚で取り組もうとしてくれます

 ただし、表情とは裏腹にルールは絶対徹底。
 経験上、このルールを2週間徹底すれば、ほとんど生活に関する質問は出なくなります。

 この質問が出なくなるまでの2週間、児童は厳選した生活に関する質問をしてきます。
 この質問が出たときこそ、クラスのルールを作る大チャンスです。
 
 次回は、そのルールメイキングについてお話していきます。

 今回もお読みいただき、ありがとうございました。次回も、よろしくお願いいたします。



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