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私が『葬送のフリーレン』を最終回まで視聴してしまった理由
『葬送のフリーレン』のseason1が終わりました。
偶然、第1話を視る機会があり、そのまま第28話まで「何となく」、それこそ息を吸うように自然体で最後まで観てしまいました。
私は飽きっぽいタイプなので、物語の中盤から「なるほど、そういう話ね」と察してしまうと視るのを止めてしまうのが常でした。
それが何故、『葬送のフリーレン』は、最後まで視聴してしまったのでしょうか?
「そうだね」の魔力
『葬送のフリーレン』の作中に「そうだね」というセリフが随所に出てきます。それは魔法使いフリーレンの無機質な声だったり、心休まる勇者ヒンメルの声だったりするのですが、それが心を癒します。
「そうだね」には、どんな魔力があったのでしょうか?
「そうだね」が不足している現代
「そうだね」は、同意や共感を表す場面で使われます。
SNS上では、「いいね」や「スキ」という文字や記号が同意や共感を表すツールとして使われてます。
しかし、面と向かって言葉で「そうだね」と同意や共感を表す場面が、極度に減っている気がします。
家庭や職場、それも地位が上がるにつれて「そうだね」と言ってくれる人間は少なくなります。
「そうだね」という一言で十分なのです。
人間は自分を肯定して、背中を押してくれる言葉を求めています。
しかし現代は「そうだね」が不足している様な感じがしてなりません。
SNSの「いいね」や「スキ」は更なる自己顕示欲を生み出しかねませんが、魔法使いフリーレンの「そうだね」は自己肯定感を与えてくれます。
フリーレンの言葉が無機質で不愛想な程、言葉が研ぎ澄まされて私の心に刺さってしまう。
これが『葬送のフリーレン』は、最後まで視聴してしまった理由です。