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大企業には「イノベーション人材がいないわけではなく、封印してしまっているだけ」な件

はじめに

筆者は生命保険会社のデジタル共創オフィサーとして、社内のデジタル戦略や執行支援をする傍ら、顧問先やパートナー企業のDX支援、自治体向けのビジネス発想支援や官公庁のDX推進委員を務めており、日本全体のDX推進や人材育成のあり方を考える活動に携わっている。

多くの事業会社からDX人材育成の方法や進め方、社内の巻き込み方を聞かれることが多く、その中で良く聞くことは「イノベーションを起こせる人材がいないし育たない。中途入社は自分の好きなことばかりして馴染もうとしない。どうしたら良いかわからないので教えて欲しい。」ということだ。

筆者の考えでは、イノベーション人材がいないのではなく、見つけていないだけである。これに尽きる。つまり。良いセンスを持っている人材はいるが、大企業の組織論で芽を摘んでしまっているだけなのだ。例えば、新しいことをやろうと上司に提言しても「上手くいかないからやめておけ、失敗したら周囲が不幸になる。損だからやめておこうよ。君のためだ。」ということになる。これはJTC大企業の役職者には理解できることだと思う。

「そんなことない。大企業にはイノベーション人材がいないことは間違いない」というJTC大企業の役員が言い張っても、それは違うという根拠がある。筆者の勤務する会社にもイノベーションの芽をもつ人材がゴロゴロいると思うからだ。

身近にいた「イノベーションの芽」人材

昨日は八重洲のオフィスに行ったのだが、最近異動してきた中堅人材が同じところで仕事をしていたので声をかけてランチに行った。牛すじカレーを食べながらイノベーションの芽人材を二人も見つけた。一人は趣味でハンターをしている人。北海道でヒグマの駆除などをしていて地域経済やジビエなどに詳しい博学者だ。

鴨のハンティングで効率的に対象を見つけるためにドローンを駆使しており、この分野に詳しいが、これまでの保険の職場ではドローン技術は全く評価されなかったという。(当たり前だが)

もう一人はテック系の人だ。家で自分でプログラムを作って受験生の子供に数学を教えているというPython(データ分析で使うプログラム言語)の使い手だった。これも彼の前の職場では趣味として扱われ評価されなかったという。(こちらも当然ではあるが。)

これはイノベーション人材として成長してもらえると思った。早速、リープフロッグ人財として任命し、二人にはコラムを書いてもらうことにした。二人はコラムは書いていなかったのでノウハウがないが、それは生成AIを教えることで問題ない。

これでリープフロッグ人財を2名確保したことになる。この人たちにやって欲しい共創案件はたくさんある。バイタリティのエコシステム拡大、DX研修講師、DXビジネス検定問題作成、セミナー登壇、オープンイノベーション活動、発電ダム案件、観光地案件、地方とのポイ活(ポイント活動)案件など、活かす場所はたくさんある。

イノベーション人材を見つけ育てる方法

イノベーション人材を見つけるには、社員の趣味や特技に着目することが重要だ。仕事とは直接関係ないと思われがちな趣味や特技の中に、実はイノベーションのヒントが隠れていることが多い。

また、イノベーション人材を育てるには、彼らの強みを活かせる環境を整えることが必要だ。例えば、ドローンに詳しい人材であれば、ドローンを活用したビジネスの可能性を探ることができる。Pythonに強い人材であれば、データ分析や社内のシステム開発や業務効率化に貢献できるだろう。

イノベーション人材同士をつなげ、協力して新しいアイデアを生み出せるようにすることも大切だ。異なる分野の知識やスキルを持つ人材が交流することで、思いもよらない発想が生まれる可能性がある。社外のキーパーソンと交流させることが重要だ。

まとめ

JTC大企業にはイノベーション人材がいない、育たないのではなく、芽を摘んでしまっているだけである。イノベーション人材を見つけ、育てる方法はある。それをJTC大企業は理解しなくてはならない。

社員の趣味や特技に着目し、彼らの強みを活かせる環境を整えること。そして、イノベーション人材同士をつなげ、協力して新しいアイデアを生み出せるようにすること。これらが、大企業がイノベーション人材を育成するために必要な取り組みだ。

日本企業がグローバル競争に勝ち抜くためには、イノベーションが不可欠だ。その鍵を握るのは、社内に眠るイノベーション人材である。人材の力を信じ、その能力を最大限に引き出すことができれば、JTC大企業の未来は明るいに違いない。

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