[ 観劇録 ] No.01
年が明けて31日目。早くも1ヶ月が経ってしまいました。令和も5年目なんですね。
ツイッターでは、ナウル共和国政府観光局が2023年の8%が終わりましたと、面白い呟きをしていました。
新年を迎えたし、今までの怠惰な自分から心機一転するため、何かせねばと考え、ひとまず文章でも書いてみようと思い立ちました。
さて、何を書こうかな。自分の興味のあるものと言えば、旅、温泉、観劇、映画、それから本を読んだり、写真を撮ったり…
自分で言うのもなんだけど、まあまあ趣味ありますね。
改めて文字に起こしてみると、書けそうな気がしてきました。
でも、いざ書こうと思うと、通常時でも重い腰がさらに重くなり、ピクリとも動かなくなってしまう。
だからと言って、このまま何もしないとなると、それはそれでつまらない人間になってしまいそうで不安が押し寄せてくる。
とにかく一週間に1回、いや一ヶ月に1回は文章をあげられるように、自分を鼓舞したいと思うことを検討することを検討しようと思います……
まずはじめに何を書こうか。
うーん、1発目と言うのは、何かと考え込んでしまうもの。初日の出や正月三ヶ日、酉の市も十日戎も過ぎてしまっているし、どうしたものか。
うん。考えていても拉致が開きませんよね。そういえば、先日観劇初めをしたので、観劇の話題からはじめようと思います。
[ 観劇録 ] 2023.01.29(Sun)
1.概要
新年1発目に観劇したのは、ミュージカル「憂国のモリアーティ」略してモリミュです。こちらは原案がなんとシャーロックホームズシリーズで有名なアーサー・コナン・ドイルとなっているんです。さらに、題名がモリアーティとなっていることから分かるように、ジェームズモリアーティを主人公とした話なのです。舞台設定としましては、19世紀末のヨーロッパで、古くから根付く完全階級制度により、上流階級の人間達に支配されている大英帝国。この世に誕生した時から一生涯の身分が決まるこの社会制度は、必然的に人間同士の差別を生んでしまう悲惨なシステムとなっていました。そんな中、階級制度による悪を取り除き、理想の国を作ろうとジェームズ・モリアーティとその仲間達が力の弱い市民を虐げる貴族の悪事を暴き、様々な策を練り、人々から犯罪卿と言われながらも天誅を下していくストーリーです。さらにそこへ名探偵シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトソンもしっかりと物語に絡んでくるので、モリアーティ視点の新解釈シャーロックホームズのような世界観となっており、原作を知らない人は勿論のこと、原作を知っている人でも楽しめる内容だと思います。
と、まぁ偉そうにあらすじを語らせていただいた訳ですが、かく言う私もまだマンガを途中までしか読んでいないので、これから読み進めていきたい所存であります。
2.第1幕
さて、今回のミュージカルに話を戻しますね。観劇したミュージカルの内容は、歌とダンスであらすじを語るオープニングからスタートしました。このオープニング、個人的には少し長かった感じがしました。でも、それは普段舞台を主に観ているからそう感じてしまったのかもしれません。今回はミュージカルだから、歌と踊りをがっつり魅せる構成になっていました。
そして、衆議院議場で人々の平等のために戦うホワイトリー議員の演説シーンから物語は始まります。そんなホワイトリー議員に、同じ志を持つ者として目を付けたウィリアム・ジェームズ・モリアーティは貴族院を窮地に追い込む証拠を託しました。しかし、そこへ新聞や広告を使用し情報を支配するメディア王チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートンの魔の手が忍び寄ります。ミルヴァートンは、情報収集力の高さだけでなく、情報操作と人心掌握によって人々を操る脅迫王と裏では囁かれており、非常に頭の切れる人物。
ミルヴァートンはホワイトリーが雇ったボディーガードを脅迫しホワイトリーの家族を殺させ、それを見たホワイトリーはそのボディーガードを殺めてしまいます。我に帰ったホワイトリーは自分の過ちの責任をとろうとしますが、それを知ったウィリアムは、これはミルヴァートンの仕業だと推理し、ひとつの提案を持ちかけます。それは、ホワイトリーの命を自分にくれというものでした。
その内容は、民衆の面前で犯罪卿がホワイトリーを殺害するという作戦。この作戦には、3つの目論みがありました。一つ目は、ミルヴァートンの思惑通りにはさせないこと。二つ目は、ホワイトリーが殺人者であることを民衆にバレないようにすること。ミルヴァートンは人々の平等を訴えるホワイトリーが邪魔に思ったため、ホワイトリーを犯罪者に仕立てあげようと今回罠を仕掛けてきました。それを阻止するには、ホワイトリーが人々の平等を訴える民衆の味方のままで居る必要があったのです。三つ目は、殺人を犯した責任をとるためホワイトリーが死を望んだことです。この罪を隠し通すことが出来ないホワイトリー。しかし、ただ死ぬのは勿体無い。これまでホワイトリーが訴え続けてきたことは、ウィリアムの考えと似ているからです。
そして作戦は決行され、ホワイトリーは市民の味方のままウィリアムに殺され、第一部が終了しました。
3.幕間のひととき
幕間の時間、後半の内容がどうなるのかとずっと考えていました。前半でストーリーが1つ終わったのですから、第二部はおそらくシャーロックによる事件解決編か脅迫王ミルヴァートンを権力の座から引きずり降ろすかのどちらかだろうとぼんやり想像していました。それから、今回のストーリーは、マンガの原作だと何巻にあたるんだろう。まだ途中までしか読んでいない身としては、ワクワクでしたね。
4.第2幕
20分ほどの休憩が終わり、第二部の幕が上がりました。場面は、シャーロックの棲み家であるベイカー街221番地Bの下宿部屋にワトソンが婚約者メアリーを連れて帰ってくるところから始まります。メアリーとワトソン、シャーロックにミス・ハドソンさんを加えた4人で馴れ初め話や思い出話に花を咲かせていましたが、メアリーの言動に違和感を覚えたシャーロックは、何か隠し事でもあるのかと尋ねました。メアリーは、綺麗な6つの真珠を取り出し、毎年一つずつ送り主不明のまま送られてくること、そして6年前に父親が失踪したという話を語りました。しかし、シャーロックはメアリーがまだ何か隠していると感じ、探りを入れてみると、メアリーが学生時代に参加したデモ団体が反政府勢力だったということをネタにミルヴァートンに脅迫されていた事実が明らかになります。
なんとここで、ウィリアムが追っている人物とシャーロックが追うべき人物が合致してしまったんです。なるほどなるほど。ということは私が幕間に考えていたホワイトリー殺害の事件解決編かミルヴァートン失脚作戦のどちらかという予想は見事に外れてしまいました。ワクワクが止まりませんね。それと、いま思うと一連の事件を全部観ていた観客側からすると事件解決編なんて見せられても何も面白くないですよね。自分の推理力はまだまだだなぁと痛感しちゃいました。
話を戻しますと、シャーロックは脅迫の証拠品を手に入れるためミルヴァートンの屋敷に潜入することに。しかし、そうなることも計画通りだったミルヴァートンは屋敷で待ち伏せをしていました。ミルヴァートンとシャーロックの一騎討ちかと思いきや、そこへ犯罪卿であるウィリアムも潜入しており、ミルヴァートンvsシャーロックvsウィリアムという構図になってしまいました。ミルヴァートンは、ホワイトリー議員を殺したのは犯罪卿であるウィリアムなのだとシャーロックに全てを明かします。しかし、シャーロックは犯罪卿がウィリアムで良かったと言い、シャーロックはミルヴァートンに向けた銃の引き金を引いてしまったのです。そして、ウィリアムは屋敷に火を放ち、無事に舞台は閉幕となりました。終わった瞬間、観客全員スタンディングオベーションの嵐でした。大阪公演が千秋楽ということもあり、カーテンコールも凄まじかったです。舞台挨拶では、シャーロック・ホームズ役を演じられた平野良さんが、初日は火花のような拍手いただき、二日目は花火のような拍手、そして三日目の千秋楽では火柱のような拍手と仰られていて、秀逸な言葉選びが面白かったです。
ところで、シャーロックが犯罪卿の正体がウィリアムで良かったと言ったのはなぜなのかと疑問に思ったのですが、今回観劇した回がOp.4だったので、Op.1から観ていればシャーロックとウィリアムの関係性がすんなりと分かったんだと思います。
それにしても、良い観劇初めになりました。こういった感じで、これから書き続けていけたらいいなぁと思います。そうだ、去年の観劇を振り返って文章にしてみるのも楽しそうなので、やってみようかな。
ではでは、今年も良い年になりますように。
---追伸---
今まで、2.5次元の舞台を観ることに少し勇気が出ず、避けていました。ごめんなさい。今回ので考えを改めることができたし、視野が広がった!イェイ!