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神様になったいたずらタヌキ⑨

「ご、ごさくどん?」
「ポン太!まさかと思ったけど」
吾作どんは、ポン太の前に立ちました。
「やっぱり、おまえが犯人だったのか?」
「ち、ちがうよ!ボクじゃなよ!」「嘘をつくのは、よくないぞ!」
吾作どんは、ポン太を睨みつけてます。
「じゃあ、どうして今おまえがここにいるんだ?」
「ひどいな、ボクを疑うなんて」
ポン太は、吾作どんの目をみつめて言いました。
「ボクはね、本当の犯人を捕まえに来たんだよ」
ポン太は、もう一度まわりを見まわしました。
犯人は、まだ現れて来ないようです。
「だれかが、ボクを畑荒らしの犯人にしたんだ」
「ほぅ、それで?」
「そりゃ確かにボクは、畑の食べ物をもらったりするよ。でもね、こんなにひどいことはしないよ」
なるほど、ポン太の言うとおりです。
畑のこの荒らし方は、子供のタヌキのやり方では、なさそうです。
それに、あんなにたくさんの野菜は、ポン太1人だけでは食べきれません。
「じゃあポン太!犯人は、村人の中に・・?」
「ボクは、それを確かめに来たんだよ」
「わかった、ポン太がそう言うなら、一緒に確かめよう!」
吾作どんが、続けてポン太に話しかけようとしたその時です。
「シー!だれか来たよ!」

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