一日も早く、私は死にたい
私がこれまで、何をしてきたのか。どのような人生を歩んでいたのか。この機会に話そうと思う。何のためか、それは何を隠そう自分自身のためだ。虫が本当に五月蠅い。
私は三蔵と千恵の間に生を受けた。父は厳しく、絵に描いたような頑固者だった。母は働き者で、私の世話は年の離れた姉の佐恵子がしてくれていた。姉の事が大好きでいつも笑って騒いでいた。父は大工として働き、母は工場で糸を作っていた。両親が仕事で遅くなると、佐恵子のご飯が出てくる。何品かおかずが出てくるが、どれもこれも味が薄いか