FP1級実技試験part1
part2の手応えが全くなかったこともあり、
もうなるようになれ…
という気持ちでpart1のタイミングでは、緊張感もほぼなくなっておりました。
私が受けた問題はこちら
(10月1日 part1の問題をご参照ください)
超オーソドックス問題キター!!
問題見た瞬間、これはいける!
と思いました。
↓以下、面接の実際のやりとりです。
(こちらもpart2と同じく、あくまでも私と面接官とのやりとりをそのまま記載したものであり、正解とは限らない点、ご了承ください)
面接官は40代ぐらいの女性と50代ぐらいの男性
面:まずは顧客の相談内容および問題点としてどのようなことが考えられるか、できるだけ多くあげてください。
私:
長男Cさんへの事業承継について
株価の引き下げ対策
倉庫の設立について
貸付金の処理
円満な遺産相続
納税資金の確保
相続税の軽減対策
小規模宅地の特例の可否
生命保険の加入有無の確認
です。
面:Aさんの社員寮に今後も住んでいきたいという気持ちと相続対策や事業承継対策を踏まえて、どのような提案が考えられますか?
私:社員寮を法人から個人に移して、代金は貸付金と相殺することを提案します。貸付金が不動産に代わることで、個人の相続税も圧縮されますし、この不動産は含み損が出ているので売却することで、自社株価格は下げられると思います。
面:なるほど。
社員寮を、個人に移すと、小規模宅地は使える?
私:使えるかと思います。
面:小規模宅地のどの特例?
私:特定居住用です。
面:何平米、何%減額できますか?
私:330平米まで80%減額できます。
面:他に小規模宅地の特例が使えるものはありますか?
私:X社の車両置き場は特定同族会社事業用宅地の特例が使えるかと思います。
面:倉庫を建てたと仮定した場合に、ということですよね。
私:はい、そうです。汗
(そうだった、今は何も建ってないやん。危ない危ない。。)
面:では倉庫が建たない場合は、つかえる?
私:倉庫がたたない場合は、ただの青空駐車場になるので使えません。
面:じゃあ貸付事業用宅地としてはどう?使えますか?
私:アスファルトになってない駐車場なので、貸付事業用宅地としても使えないかと思います。
面:はい。わかりました。では質問を変えます。
自社株価格は今いくらですか?
私:大会社なので類似業種批准価格で3000円です。
面:そうですね。
でもこの会社、従業員今75人で、労働力不足でさらに減るかもしれないって書いてあるけど、それは自社株価格に影響ある?
私:はい、従業員数70人割ってしまうと大会社に該当しなくなり、評価額が上がってしまう可能性があります。
面:どれぐらあがる?
私:中会社の大になりますと、類似9割、純資産価格1割で計算しますので3500円になります。
面:では倉庫の建設ですが、法人、個人で建てた場合、それぞれ土地の相続税評価額はどうなりますか?
私:個人所有の土地に法人所有の建物を建てた場合、土地の無償返還に関する届出書を税務署に提出すると、自用地評価額の80%評価になり、個人所有の土地に個人所有の建物を立てて、法人に貸した場合は貸家建付地評価になります。
面:それを踏まえた上で、建物は個人所有にする?それとも法人所有にする?
私:そうですね…Aさんのお考えもよくお伺いしてからにはなりますが、個人所有にした場合Aさん自身に資金負担がかかりますので、法人所有でいいかと思います。(ここは多分決めつけるより、Aさんが何を重視しているかを聞いて、相続税圧縮が目的なら個人所有で、そうでないなら法人所有で、的な言い方にした方が良かったと思われる)
面:では自社株の承継についてどのような方法がある?
私:売買、贈与、相続、またはこれらの組み合わせがあります。
面:では今回の場合はどうやって承継していくのがベストですか?
私:そうですね…。Aさん保有の自社株の評価も3億円とかなり高額ですし、なおかつ事業もうまく行っており今後ますますの自社株評価の上昇の可能性を考えますと、株価が上がりきらないうちに事業承継税制の特例を使って贈与してしまうのも一つの案かと。
面:事業承継税制の特例の注意点は?
私:2024年3月末までに特例承継計画書を都道府県知事に提出すること、また、もし要件を満たさなくなった場合は猶予されていた税金に加えて利子税を払わないといけなくなることです。
面:株価の引き下げ対策はどうする?
私:役員退職金の支給、記念配当を出す、含み損が出ている不動産等の売却、償却資産の購入などです。
面:ちなみに一般的に不動産購入した場合株価に影響ある?
私:あります
面:買ってすぐ?
私:いえ、3年経過後です。
面:では円満な遺産相続のためにできることは?
私:ご遺言の作成を提案します
面:遺言の種類は?
私:公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言です。
面:ではあなたはAさんにどの遺言を進めますか?
私:Aさんのお考えをよく聞いてからにはなりますが、個人的には公正証書遺言を提案します。
面:それはなぜ?
私:今回は事業にからんでくる資産も多数ありますし、確実にきちんとした形で残した方がいいと思ったからです。
面:はい。わかりました。
では納税資金の準備はどのようにしますか?
私:生命保険の活用、金庫株、不動産の売却などです。
面:では相続税の軽減対策は?
私:お子様2人にぞれお子さんがいらっしゃるので、お孫さまへの教育資金贈与などが有効かと。また長女Dさんは持ち家ではないので、もし持ち家を検討されていらっしゃるのであれば住宅資金贈与なども検討してみてもいいかもしれません。あとは生命保険の非課税枠を利用することも提案します。
面:ではさいごにFPの職業倫理について、どのようなことが考えられますか?
私:顧客利益の優先、守秘義務の遵守、顧客に対する説明義務、コンプライアンスの徹底、インフォームドコンセント、能力の開発です
面:では今回の事例において1番大切なことは?
私:インフォームドコンセントです。
面:なぜ?
私:今回、事業承継、資産承継共に選択肢がたくさんあり、その中でメリット、デメリットを丁寧にご説明し、お客様自身が納得してもらった上で対策案を選択してもらう必要があるからです。
面:ありがとうございます。以上です。