003: 僕の不条理な日常(北海道神宮の『穂多木神社』の狛犬に初詣の御挨拶)
それは、精神障がい者の僕『濁乃れざいす(匿名)』が体験した話。
2023年1月3日(火)の出来事
今年も正月の3日に北海道神宮へ初詣に行ってきました。ここ数年は北海道神宮にお参りする際に、新型コロナの影響で手水所での禊ぎをすることは出来なくなりましたが、僕だけのお参りをするルートがあります。まず、表参道から神宮の大鳥居を潜ります。そして、本殿にお参りする前に本殿入り口にある『さざれ石』から『島判官銅像』へとお参りをしてから本殿にお参りをします。
本殿の『お参り』では個人的なお願い事をしていません。個人的なお願いをしないようにしているというよりは、毎年出来なくなっているという方が近いかもしれません。大鳥居を潜って表参道を通っている時は、色々と思いを巡らせて入るのですが、本殿の前に来るまでにはほとんどの考えが蒸発してしまいます。最終的には家庭の円満と国や住んでいる土地を護り、災いを鎮める『鎮護国家』しか残らなくなります。神様には「御守り下さい」とだけ祈祷して本殿から引き返してきます。帰りの道は出店が並ぶ裏参道を通って『穂多木神社』『札幌鉱霊社』『開拓神社』の順でお参りします。
『穂多木神社』は境内末社です。北海道拓殖銀行物故者御霊を祀ります。『穂多木(ほたき)』とは「ほっかいどう・たくしょく・ぎんこう」の頭文字を清音化して字を当てたものです。元々拓銀本社の社屋の屋上に鎮座して拓銀が経営破綻して本社社屋が北洋銀行に引き渡されるまで祀られていたそうです。その後、神社の行き場を失い、現在の北海道神宮の境内の末社になったそうです。ちなみに、狛犬は珍しくブロンズ製です。
『穂多木神社』に訪れてお参りした際に、すでに参拝客がいました。先客はブロンズ製の狛犬の頭と喉元を素手で撫でていました。都市伝説的な話では『穂多木神社』は銀行の神様なので使いの狛犬を撫でると金運がアップする。宝くじに高額当選すると噂されています。ですが、僕の感覚では御神体や神様の使いである狛犬さんに触るのは、特に素手で触るのは罰当たりと言うか、ブロンズ製の狛犬さんが錆とか手垢を嫌がるんじゃないかと思っています。
先の参拝客が去った後に僕がお参りする番になった時に「狛犬さんは人間の素手で触られるのは嫌だよね?だから僕は触らないよ」と心の中で呟いて『二礼二拍手一礼』をしました。昨年の感謝を述べて、手を合わせて目を瞑っていると、僕の右側の近くから犬がゴロゴロと喉を鳴らしたような音がします。目を開けて右を見ると犬なんていませんでした。神社の境内ですから犬を連れている初詣客なんて辺りにはいません。少し離れたところで注連縄と注連飾りが御焚き上げで火がパチパチと燃えていましたが、犬が喉を鳴らす声とは明らかに違いがありますし、音がした方角や距離が全く違います。音がしたはずの場所に注意深く目を向けると口を開けた狛犬がいました。慌てて、左の狛犬を見ると口を閉じています。びっくりして右に振り向き直し「いま、喉を鳴らしたのは君かな?」と思わず心の中で叫んでいました。その後、『札幌鉱霊社』『開拓神社』の順でお参りしましたが、動揺してお願い事どころではありませんでした。
ゴロゴロと喉を鳴らしたような声は大型犬やネコ科の猛獣の怒っている様な声ではなく、穏やかな優しい声だったので、狛犬さんに歓迎されたのだと解釈しました。帰りの地下鉄の中で、ニヤニヤした笑顔が他人にバレないようにするのに苦労しました。
まぁ、現実主義的な解釈をすれば、僕はあの時にちょうど幻聴と妄想の症状が出たのでしょう。精神病の統合失調症の症状が悪化しているのかもしれません。昨年の初詣の後で『穂多木神社』の神様から拓銀を潰すことにした動機を教えてもらいましたが、ブラックでダークな『闇深い話』で世間には公表できないので秘密にしますけど、こんな感じで、常日頃から幻聴が聞こえて妄想状態の中にいるのかもしれませんが、今回は幻聴を強く意識できる状態でした。「現実には神仏や霊などはこの世に存在などしていない」と考えて生きていくよりは、ちょっと不条理な世界で生きていく人生の方が僕にとっては幸せなのです。
ありがとうございました。