見出し画像

「オープンポエトリーの会」第6回報告

 さとう三千魚さんと大村が運営委員として進める自作詩の朗読・感想会ですが、さる12月6日(金)14時30分から、初めて静岡市を離れ、静岡県東部の三島市で開催しました。開催に際しては「三島 詩の会」のメンバーで県詩人会理事の室 十四彦さんらの協力を得て実現できました。厚く御礼を申し上げます。
 参加メンバーは総勢10名となりました。朗読順に大倉文さん(初)、日吉千賀子さん(初)、勝間田育子さん、忍城春宣(おしじょうはるのぶ)さん(初)、室さん、小清水房也さん(初)、嶋治子さん(初)、以下中部(静岡市)から参加の、たいい りょうさん、さとう三千魚さん、大村です。
 参加者と朗読作品を少しずつ紹介します。
 大倉 文さんは以前出された詩集「第七音階空転」から『ジィザス・クライスト・スゥパァスタァ』。聖書をモチーフにした詩ですが、そうでありながら肉感的に「この風のにほひを識っている/この風に触ったことがある/この風の音楽を聴いたことがある」と、五感を駆使して繰り返し訴えて読み手に迫ります。イエスは「言葉の使者」であるとの事、それぞれの詩人もキリストには及ばないかもしれませんが、やはり言葉の使者であるのかも、と私は思いました。
 日吉千賀子さんは『虫』。主人公が土中にはびこった、コガネムシの幼虫を掘り起こして駆除しようとするのですが、小さな虫と人たる自分が、お互いに「悪人面」「殺虫鬼」と相手を思って対峙しているところがユーモラスです。この対峙によって、詩を自分の外側の、昆虫へ上手く視点移動が出来た気がします。
 勝間田育子さんは『ホトトギス』。鳥ではなく野草のホトトギスで、比較的短時間で書いた詩だと言います。これまで庭で増え過ぎて困っていたホトトギスが、今秋は猛暑と言うか地球温暖化で殆ど花がつかない。「ぐるぐるからまった蔓性の雑草に/足元をとられながら つるを手でかき分けると/葉先がとがった草で指に血がにじんだ」といった苦労の末に、やっと小さな花が「たった一輪 花をつけていた」と希望のように綺麗に、詩の最後を締めました。
 忍城春宣さんは先々月9月に土曜美術社の新・日本現代詩文庫166・167で詩集を出されたばかり。今回は『旅の客(まろうど)』。富士山麓に住む忍城さんは、山岳周辺の自然を題材とする詩が多いです。この詩では冒頭から『牧場の/野面(のもせ)に/時雨が奔り//野飼いの/馬の瞳に/下后(かご)の青空が』と短い3行ずつで展開していき、「野面」など万葉時代の古語を使いながら、みずみずしい命がある、自然の感覚がとても良いと感じます。
<続く>

 遅くなり眠くなってしまったので、続きは明日以降に。ごめんなさい。

いいなと思ったら応援しよう!