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大野晋著「日本語練習帳」(岩波新書)⑦
1 単語に敏感になろう
漢字の一字一字を見る
練習⑦
辞書を見ると「意味」と「意義」について次のように書いてあります。
「意味」①その言葉の表す内容。意義。
「辞書を引けば意味がわかる」
②表現や行為のもつ価値。意義。
「そんなことをしても意味がない」
「意義」①その言葉によって表される内容。意味。
「意義を唱える」
②行為・表現・物事の、それが行なわれ、また、存在するにふさわ しい価値。意味。
「意義のある事業」
この説明と用例からは、二つの区別は知ることができないでしょう。しかし、
「どういう〇〇でそんなことをしたのか、さっぱりわからない」という文例の
〇〇には、「意味」か「意義」のうち、「意味」しか使いません。やはり、
「意味」と「意義」には違いがあるのです。それを書いてください。
問いの文章が長い! 読んでいる間に、違いを考える気力が失せます。どうでもよくなります。問題につづく先生の解説文も長い。
意味も意義も見いだせないという文章しか思いつきません。
自分が「意味」を使う場合は、理由を書きたいと思うときです。
学校に通う意味がわからない。毎日、同じ時間に同じ場所に行くことで得られることと言えば、団体行動をとる訓練でしかない。
「意義」はほぼ使わない。社会の規範にたいして、意義を唱える生き方に適していないと思っているからです。
以下に、「意味」と「意義」の違いを述べた大野先生の解説文を載せておきます。
「意味」とは、個人的に舌で感じ分けるように微妙に込められている気持。個人的、 一人一人。だから、「どういう意味でそんなことをしたのか分からない」といえば、あの人は個人として何を目指し、何をねらっているか分からないこと。
「意義」は、社会的に正々堂々と立派な価値があることです。
以上です