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#シロクマ文芸部 木の実と葉 (森のおちゃ会)

木の実と葉をいっぱい食べたクマのジョディは 冬の眠りから目覚め 春の匂いを求めて 家から出て来ました。「あらジョディーお目覚め」モンシロチョウのミミがさっそくジョディのまわりをひらひら 春の小川も 嬉しそうにポコポコと木琴をならし 白魚も飛び跳ねて 「ヤァ~ ジョディー」と挨拶を交わしました。ジョディは 土の匂い 木の匂いをくんくんとかぎ回りました。
するととても美味しそうな若葉の香りが森の奥から漂って来ました。ずんずん歩いて行くとそこは 採れたての新茶を売る店 「サムじいさんのみせ」と書いてありました。
ジョディは 友達を招いてお茶会をしたいとひらめきました。ジョディは勇んで店の戸をたたきました。「こんにちは サムさんぼくに今年採れた最高のおちゃをください」と元気よく伝えました。サムじいさんは ジョディをちらと見て「最高のおちゃ? そんなお茶はないね」と素っ気ない態度 サムじいはすこし間をおいて「くまくんもし最高のお茶を買ったとしよう 君は友達にどう言って出すんだい」ジョディは少し考えて「これは今年の最高のお茶で それに値段も最高だよ」って言うかな? するとサムじいさんは そんなこと言って友達はほんとに美味しいと思うかな? 味は分からなくても お世辞で最高だねってほめるだろうね」今度はジョディが「もちろんさ!」と大きな声で言いました。
 「くまくんや今日は良いひよりだ
そこのテラスでお茶でもどうだい」「えぇ喜んで」サムじいさんの店の横には 春にさくスミレやチューリップが咲き誇っています。サムじいさんはニコニコして一人で飲むより二人でオシャベリしながらお茶を飲む方が楽しいだろう くまくんがくるのを待っていたんだ」 そう言ってサムじいさんは ていねいにお茶を入れ 温めたカップに注いでくれました。 昔話や森の出来事をおもしろ可笑しく話してくれ ジョディはすっかり満足しました。帰り際にたずねました。「サムじいさんの入れたお茶 あのお茶が最高のお茶でしたね」
サムじいさんは応えました 「それはお茶を入れる人の気持ちなんだよ この人と心を通わせたいという 優しい気持ちがあればお茶はどれも最高なんだよ」ジョディはキョトンとしましたが何だか少し分かった様な気がしました。そう 相手を思いやる気持ちそれが大事なんだと ジョディは帰りの道すがら心が優しさでいっぱいになりました。次の日 ジョディ-は森のお茶屋へ向かいました。もちろんお茶を買いにです。でもそこにはサムじいさんの店は ありませんでした.でも スミレの花の横に 「くまくんへ 素敵なお茶会を」と春の香りのするお茶がひとつ置いてありました。サムじいさんは お茶のおいしさを伝える 吟遊詩人だったんですね。その日の午後 ジョディの家で お茶会が開かれました。みんな どんな時間を過ごしたかって
それは いうまでもありませんね。


おわり

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