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#毎週ショートショートnote 書庫冷凍革命
真面目すぎる図書館司書、飯島愛理は
引っ詰め髪に黒ぶちの眼鏡、総てのジャンルを管理し新刊も頭に入れ、そつのない対応を心掛けている。しかし
スーパー司書飯島愛理も仕事を終え
家に帰れば、キャラ変し、ちいかわパジャマにぬいぐるみ、ばぶばぶ少女に
変わり果てるのである。毎年あげる当てのないチョコレートを手作りし、自分で消費していた。だが、今年は違う、想い人が出現したのだ。
毎週土曜日、開館と同時に現れ、医療系の本を手に、熱心に勉強に励む橋本裕二に(名前はしっかり覚えた)萌なのである。
飯島愛理、仕事帰りに町の本屋に立ち寄る、これは日課なのである、心の中では『ちいかわ、ちいかわ、うふふのふ』と手を伸ばしていると、上から男の人の手が、にうぅーと…、
お互い顔を見合わせ
「あぁっ」
「あれっ」
「君、図書館の人でしたよね」
「はっ、橋本さんでしょ」
「僕の名前覚えてくれてたんだ」
「お勉強熱心にされてますよね」
「あの場所、好きなんです。皆さんの働いている姿もみられて、あっいや、そのー」
橋本裕二の照れた仕草をみて、愛理はなにを思ったのか、カバンをゴソゴソしだした。
「あの~、しょ、しょ、書庫冷凍貰ってください」
「間違えました!チョコレート貰って」
そう言って、愛理は裕二にチョコレートを押しつけ駆け出して行った。なんと大胆な!
次の土曜日、橋本裕二は開館と同時に現れた。そして、飯島愛理の前に一冊の本を差し出し、そこにはメモ紙が挟んであった。
『愛理さん、チョコレートを有難う
今度は僕と[書庫冷凍革命]しませんか
いえ、チョコレート革命ただし僕は
独身だけどね」
それを見た飯島愛理は、嬉しさのあまり フリーズ(冷凍)したらしいです😚
おめでとう🎉