見出し画像

#シロクマ文芸部  マフラーに愛を込めて

マフラ-について私の黒歴史をお話しします。(笑ってやって下さい💦)
のどかな田舎で育った私は小学校は1年生から卒業するまで、女子二十四人男子十二人の一クラス、まるで兄妹のように天真爛漫な学校生活でした。
男の子の股ぐらに頭を突っ込んで馬跳び、毛糸のおパンツにスカートを差し込んでゴム跳び、木登り、ドロケイ男女入り乱れて腕白な日々を送っていた。
小学校にも終わりを告げ、家から三キロ離れた中学校に自転車で通うことになった。小学校の時は、女子が幅をきかせていたのに、中学になるとおるわ
おるわ、男子生徒、私はビビり捲って最初はしおらしくしていた。おまけにセーラー服ときた、おパンツ丸出しとはいかない。中学一年の夏休み明け、
クラスのお調子者の男子から裏庭に来てとニヤニヤしながら告げられた。
お調子者に超がつく私は何か面白い見世物でも有るのかとホイホイついていった。ところが裏庭には隣のクラスの見知らぬ男子、校舎の影から数人の男子がけしかけていた。その子はうつむき加減で私に、コクりやがった!
「好きです、僕と付き合って下さい」
後からは歓声が上がっている、私が見世物だっようだ…、。私はアヒルの口をしてただパクパクするだけ 付き合うって…、付き合うって、つまりこういうこと~

野原で手つなぎスキップ

私しゃ今テレビの寺内貫太郎一家に夢中で忙しいんだ。きん婆さんの「ジュリィー!」と美代ちゃんの赤い風船の物真似にはまってるんだ。生身の男にはきょーみねぇよ!と心の中で叫んでいた。ところが周りが許さない、親友からは「いつから付き合うの、このままじゃヘビの生殺しだよ」
私は慄いた!「お前、いつの間にそんなヘンテコの言葉知ってんだよ」、
仕方がないせめて
誠意を示さなくては、私は男の子に手編みのマフラーを贈ることに決めた。(はい、やっと本題へ)イメージとしてはこんな感じ

青色と白のすとらいぷ~✨

かあさんに棒針編みを習って夜な夜なせっせとマフラーを編んでいた。麗しい乙女心と自分に陶酔しながら、なんて言って渡そうかと、あれやこれや
シミュレーションつまり一人二役の予行練習、明日はいよいよ白いストライプを入れれば完成と枕元に編みかけのマフラーをおいて寝た。
ところがである…、
枕元には白いストライプではなく白いフリフリのお花がいっぱい張り付いていた。…、…、

お花がいっぱい

かあさん、得意げに「仕上げといたから」
私は思わず「なんてことしてくれるのよ!こっ、これはコクってくれた男子にあ、げ、る、やつー!」と叫びたかったがとりあえず呑み込んだ。ガキの癖になにませてんだよと思われたくはなかった。かあさん既に何でもお見通しだったんだ。不純異性交際を全力で阻止したのだ。阿呆なのはあたし
手も握らず、言葉を交わすわけでも無い空しい絵空事…、
しかしそれで終わりではなかった。こともあろうに私はそのフリフリのマフラーを男の子にあげたのだった。
きっとあのへんてこりんなマフラーを見て「嫌がらせされた」と思うに違いない、なんであげたのかは不明だが、きっと小芝居じみたことがしたかったのだろう。だって、さんざ練習したから…、。
もう、かれこれ半世紀…、未だに忘れられない黒歴史、
「もぅ~、やだぁ~」思わず声に出してしまった。
それを見ていたご主人様
「まぁ~た、昔のくだらんこと思い出したろ」

図星である!トホホ…、

取りあえず 了、💦









いいなと思ったら応援しよう!