#シロクマ文芸部 シベリアに星が降る
星が降るシベリアの凍土からマンモスがやって来る。地球温暖化の影響で凍土融解して、四百万年前のウーリーマンモスが福岡市科学館に展示されたのは、今から5年前の冬だった。いきなり目の前に現れた等身大のマンモスは
迫力満点
腐る前に凍り、閉じ込められられることでミイラ化している。東ロシアのサハ共和国の首都ヤクーツクは温暖化で永久凍土から大量の象牙が出土し売買されていると聞く。地球の成り立ちや生物を目の当たりにすることは非常に興味深く、研究も進むことであろう。しかし、現代に現れてよかったのだろうか、満天の星の下で永久に眠ったままでいた方がよかったのではないのか、黒く落ち窪んだマンモスの目に映っていた景色はどの様なものだったんだろう。氷河期の最後、動物達は食べ物を求めて厳しい最北の地シベリアで命つきたのであろうか、子どもの象もいた。
黙して語らずの剥製のマンモス
現代人に語りかけるとしたら
これが人類の末路なんだと、語りかけているのではないのか。
永久凍土が溶け出し、メタンや二酸化炭素を排出し温室効果ガスにより地球温暖化、未知なるウイルスがよみがえり世界にまん延、例えば炭疽菌、
私は展示会場を後に言い知れぬ恐怖を感じた。
その感情はますます強くなる一方だ。
星降る美しい大地に永遠に眠り続けていて欲しかった…、
マンモスの毛を触ることが出来た
冷たく針金のようにゴワついていた
五年も前のことなのに、その時の感触が今も残る。