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#毎週ショートショートnote 可愛い子には変化させよ(尺取り虫は空へ)

ぼくは 尺取り虫
ある日 母さんがささやいた
「いいかい 坊や 桃 栗三年 柿八年て言うじゃないか 辛抱すればきっと良いことが待っていますよ それまでこの柿の木につかまって頑張るんだよ いいですね」
そう言って 母さんは飛んでいきました

それからぼくは 柿の枝に姿を変えて
風のビュービューふく日も
カンカン照りの日も
じゃじや降りの雨の日も
一生懸命 がんばりました

でも時々 母さんがこいしくなります
「かあさん 会いたいよ いつまで柿の枝でいたらいいの」
すると どこからか 母さんの声が聞こえてきました
「坊や かあさんはいつも見守っていますよ 空を見上げてごらん」
そこには 満天の星がきらめき
尺取り虫に降り注ぎ
優しい声に 安心して眠ることが出来ました

柿の実が色づき食べ頃を迎えました
するとそこへ 小鳥たちが
実をついばみにやってきました
一羽の小鳥が 柿の枝と間違えて尺取り虫の枝に舞い降りてきました
「わゎーー!なんだ気持ちわりぃ枝!
つまんで 空に放り投げてしまえ」

小鳥は飛び立ち 夜空におもいっきり放り投げました

尺取り虫は叫びました
「かあさーん たすけてー」
「ぼうや 星になれーって 祈りなさい」
やさしい母さんの声
尺取り虫は 一心に祈りました
すると きらめく星の一つになりました

気が付くと 朝の眩しい光

どうでしょう 尺取り虫は白い美しい羽根を持った シャクガの成虫に変化しておりました
朝日を浴びて いつまでも
キラキラとヒラヒラと
舞って おりました
信じることって
大切なことね

おわり

驚きの 600字越え もっと話を整理しなければ (;・д・) 次頑張ります!


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