アブラゲにされなくて良かったね
なんか、扱いが違う。なんであの人にはタメ口で、私には敬語?私には距離があるみたいじゃない。
なんであの人には明日休んでいいよ、と言ってあげるのに、私には言わないの?私だってしんどいのに。
なんであの人は新採だからとハンデをあげる?私だって正規雇用の経験はその人とほとんど変わらないのに。
歳のせいかな。
私のことももっと大目に見てくれたらいいのに、と思うことがある。
まるで、赤ちゃん返りをする長女みたいに拗ねた気持ちになる。
でも、小学生の頃鬼ごっこで、タッチされても鬼にならないアブラゲになりたいと思ったことはなかった。第一線で戦いたかったから、例え相手が上級生でも、ハンデなんていらんわ!と跳ね除ける負けず嫌いな私だった。
上司は、私のその気質を見抜いて、そうしているのか。任せてくれているのか。
期待してくれているのか。
安定感があると言ってくれたこと、嬉しかった。でも、余裕なんてない。体だけは、自分の管理だけはちゃんとしようと努力して、なんとか維持しているだけだ。人間関係も、自分のために良くしようと努力しているだけだ。感情が穏やかなわけがない。
顔では笑っていても、脇汗いっぱいかきながら、コルチゾールがいっぱい出ているのを感じながら、嫌な人とも話しているだけだ。
歳を多くとっている分、無理が効かないし、若い人がもつ抜群の吸収力もない。
もうちょっと優しくしてくれてもいいのに、と思う。その人ばっかりじゃなく、私にも気遣ってくれてもいいのに、と。
でも、もしこれが、私を一人前と思ってくれているからこその対応なのだとしたら、誇りに思ってこのまま突き進めばいいのかもしれない。職業経験は浅くとも、1人の仲間として認めてくれているのだとしたら。
負けず嫌いなあの頃の私なら、アブラゲにされなくて良かったね!と言いそうである。