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たったひとりの人のための現代アート


見たいと思うものがこの世になかった
私が画家になったそもそもの動機だ

祖父母が息を引き取った病院は
壁が暗かった
入り口から暗かった
どこを見ていいかわからなかった

ただここで死にたいと思う人はいないだろう
そう鮮やかに記憶した

県内でも有名な歴史ある病院
私も姉もそこで生まれた

思えば学校もずっと暗かった
仕事で行く病院も壁は暗い

行きづらいと感じる場所の壁の思い出はなぜかグレー 微かにピンクを感じる

面積に対して後回しなのか予算なのか
壁にお金をかけないのか
それに囲まれて息をしている

5年半前、コロナ禍で開催した銀座の初個展


人が求めているのは
一瞬で過ぎ去るものではなく
明るさでもなく生命が宿るもの

心が広がるものを見たとき
人は顔を上げる
足早に駅へ向かう人を見てそう感じた

真冬のコロナ禍で売れた作品はピンクの絵

ふとしたきっかけでアートセッションを
アトリエで始めたのが今年の3月春分

回数は20回を超えた


土や砂・羽・貝殻。水を使いその場でお客様が色から作るアートセッション
3.4時間ほどかけて自分の内側から生まれるものを絵にする

下地から作り筆は使わない
一言でピンクと言っても
思い描くピンクはみな違う

私はそこにいる先導者であり
伴奏者であり一番のお客さん
いつも抜け殻になるほど感動し、うるさい

人の心の中がこんなにも彩りに溢れている

アートセッションを始めてそのことをクラクラするほど知った

アートは知ろうとしなくてもいい
目に映る世界が変わった
自分をさらけ出す
全部だすのが良かったと言われる

そんなアートセッションで生まれた
作家でもない画家でもない
今を生きる人のアート

自分自身との対話から生まれたアートを並べて写真を撮ったとき
これを日本の暗い壁に
みんなが行きたくなくても行かなきゃ行けない場に一枚の現代アートとして飾ったらどうだろう?と思いついた

初めての出張グループアートセッションの帰り道

ワクワクした

働く人も来る人も
そこに用があっていなければならない人も
人生の最後の場に壁が一筋でも
祝福に溢れていたら

静岡新富士アートセッションお客様の絵


今その夢を持ち100人を目標に活動している
絵は必要な場に展示することができる移動型

海外でもやってみたい

絵はその人の内側の光を照らす
自分を向けと
私はここにいるよと

大人が本氣を出す機会は
日常でそうないのかもしれない

大人が本氣になることは未来を変える
扉だ

わたしはアートの力を信じている

#未来のためにできること

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