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自主的に勉強に来るって果たして良いことなのか?
夏期講習からそのまま中間テスト対策に突入して更新が滞っていました。こういう時は短い内容から徐々に始めていくと軌道に乗るので、その法則に則っていきます。
最近の教育界の潮流として「強制はしたくない。自主的に子どもたちが動くようにしたい」という思想が強くなっています。私の塾も「来ても来なくてもいいよ」と伝えた時は大体2~3割くらいの生徒しか来ません。来ない生徒の半数くらいは他に用事があって、残り半数は「ま、いっか」と判断しているのが実情だと思います。
加えて最近の生徒は「必ず来なさい」と伝えると、露骨に嫌な顔をする生徒は減りました。以前だったら「絶対嫌!」とキレてくるようなタイプも今したが、今はそんな軋轢を起こす子は減っています。「あんまりやる気は無いけどまあ行くか」みたいな感じで来る子が最も多い群になります。
強制しないでも生徒たちが自覚をもって勉強に来ることは素晴らしいことのように思います。私も少し前まではその状態が理想と考えていました。しかし最近はちょっと変わってきました。
今の子どもたちは「選択疲れ」を起こしているように思います。少し前に流行った子育て法として「何でも子どもに決めさせる」というものがあります。着る服も習い事も食べる物も子ども自身に決めさせるといった具合です。その流れから学校にいくかどうかも自分たちで決めるという風潮が強まっているのでしょう。
しかし彼らが選ぶのは結局ゲームやスマホのアプリか短編動画視聴です。動画自体は無限にあるので見ているものは厳密に異なりますが、相当画一的になっています。繰り返しゲーを無表情でプレイし続け、ネットミームがどんどん出てくる短編動画を数十秒おきにスライドさせながら見続けています。虫博士や電車博士や歴史博士のような子は激減しました。「本人たちに選ばせているのにどんどん画一的になっている」のが実情です。
話を戻します。皆が自主的に勉強に来る状態は確かに理想形に見えますが、実際はちょっと怖い状態なのかな?と思いはじめています。それは強制されてくるよりも一種の洗脳状態に思えるからです。例えばこれが労働の場であればどうでしょうか?休日や営業時間外に自主的に仕事に来る社員になりますね。こういう人材が2割くらいいる組織は健全だと思うのですが、ほぼ全員がやってくるとなるとちょっとカルトのような雰囲気を感じてしまいます。
結局私が言いたいのは「強制でも構わないのではないか?」という結論です。中高生くらいまでは様々なことを強制していくことは別に悪ではありません。寧ろその経験こそが本当の「自由」を考えるきっかけになる気がします。今の20代の卒業生をみているとなぜか私たちの世代よりも自己制約が多い中で過ごしている子が多い気がしています。小さい頃から自由を与えられそれに疲れているように感じるんですよね。加えてネットやSNSの圧もあるのでしょうが。
今日もテスト前日ですが、何人かの生徒のご家庭とは勝手に親御さんと自習に来る約束を取り付けています。結局結果が出れば正解な訳で、あまり自由がどうとか強制は良くないとか考えずに、より結果が出ると感じる提案をこちらはしていきます。